100年以上変わらない、ワイヤー矯正の原理と手法
「歯を矯正する」という考え方は、実は紀元前1000年ごろからあったといわれています。その証拠に、紀元前の矯正装置がヨーロッパで出土しています。太古の時代から、歯並びを治したい、歯をきれいに見せたいと思う人類の気持ちは変わっていないということが分かります。
医師が本格的に歯列矯正に取り組むようになったのは18世紀ごろのフランスです。
近代歯科医学の祖と呼ばれるピエール・フォシャール氏によって、歯列矯正が一気に広まりました。フランスの王妃マリー・アントワネットは実は「下顎前突」といって、いわゆるしゃくれた顎であったといわれています。彼女の血族は皆一様に長くしゃくれた顎という特徴的な顔の型が遺伝していたので、のちに「ハプスブルクの顎」とも呼ばれるようになりました。ところが、現存している彼女の肖像画はどれもしゃくれていません。そのため、ルイ16世との婚姻前にフォシャール氏によって矯正治療を受けていたのではないかともいわれているそうです。
その後、1900年代のアメリカで「近代歯科矯正学の父」といわれるエドワード・ハートレイ・アングル氏によってワイヤー矯正が確立されたといわれています。
現代の「ワイヤー矯正」は、100年前と同じ原理で行われています。これだけ医学が発展していても、手法は昔から変わっていないのです。これは、視点を変えると「ワイヤー矯正」には約100年分の豊富な症例があるということです。症例数の多さは医療にとっては非常に大きな財産であるため、長きにわたってワイヤー矯正が歯科矯正のスタンダードとして用いられてきたのです。
欧米では、矯正治療のイメージは「非常にポジティブ」
日本では矯正治療をネガティブに考える人が多いのですが、欧米では反応がまったく異なります。歯にお金をかけることが社会的ステータスの一つでもあるので、口元に違和感があるのに矯正をしていない人に対しては「歯科矯正ができないほど経済的に貧しい」と思うのだそうです。そして、歯並びが悪い人は「育ちが悪く教養がない」とみなされてしまい、ビジネスの場面では「自己管理のできない、仕事のできない人」というレッテルを貼られることも多いのです。
また、ワイヤー矯正のマイナス面は見た目だけではありません。最も大きなデメリットは、24時間ずっと装着しなければならないため、食事のときに食べものが挟まりやすいという点です。さらに、器具がついていることで歯磨きがしにくく、ワイヤーの隙間に食べかすなどの汚れが溜まるので、虫歯にもなりやすいのです。
ワイヤー矯正に欠かせないブラケットは当初は金属が主流でしたが、最近は審美的な視点を考慮して、セラミックや合成樹脂などでできた白や透明の目立ちにくいものが使われるようになっています。ところが、これらは金属に比べて強度が低いため、頑丈にするにはある程度の厚みが必要なため、ブラケットの一部が頬や唇の内側に当たってしまい、傷や口内炎ができるなど、痛みを訴える人も数多くいます。
また、歯をワイヤーで無理やり締めつけて移動させるので、ギリギリとした痛みを感じる場合もあります。なかには「豆腐を噛むことができないほど痛い」と苦しむ人もいて、痛みに耐えられずに途中で矯正をやめてしまう人が多くいるのです。
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