※画像はイメージです/PIXTA

わが子を難関私立中学に進学させたい親は、合格のためにどの程度の知識が求められるか、自身で体感してみることも有益です。ここでは科目を理科に絞り、中学受験に必要な学習内容とその難易度を、有名塾の講師が作成した参考書をもとに紹介します。今回は物理の「音の伝わり方」です。

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    1秒間で光は地球を7周半、音は340m進む

    光が1秒間で地球を7周半するというのは知っているかな?

     

    地球は1周約4万kmなので、光の速さは30万km/秒です。

     

    音の速さは一般的に340m/秒と言われています。正確には、空気中を伝わる音の速さは、0℃のときに毎秒331mで、気温が1℃上がるごとに毎秒0.6m速くなります。

     

    気温をt℃とすると、音速は331+0.6×tとなるわけですね。

     

    よく問題に出てくるのは、気温15℃のとき。このときは、毎秒340mというキリのいい数字になるからです。

     

    音は、密度の高いもののほうが速く伝わります。

     

    「気体<液体<固体」の順で、伝わるスピードが速くなると思っておくといいでしょう。水中を伝わる音の速さは、20℃で毎秒1500mくらいかな。

     

    ただ、密度が高いとたくさんのものを振動させる必要があるため、早くエネルギーが失われてしまい、遠くまでは伝わらなくなります。

    光は白いものに反射され、音は硬いものに反射される

    光と音の共通点は、反射と吸収を押さえておこう。

     

    光も音も物に当たると反射されたり、吸収されたりします。

     

    ただ、その性質には違(ちが)いがあるのです。

     

    光は白いものに反射されやすく、黒いものに吸収されやすい

    音は硬いものに反射されやすく、やわらかいものに吸収されやすい

     

    このことを利用したのが壁紙(かべがみ)です。壁紙は、白くて、ほどよいやわらかさの素材が多いよね。これは、光の反射と音の反射を生活するのに適した状態にするためです。

     

    もし、壁紙の色を黒にすると、光の反射が減るので部屋が暗くなります。また、壁紙を硬くしすぎると、必要以上に反射して音が聞こえにくくなります。コンクリートがむき出しの地下駐車場などで声が反射するのは、壁が硬いからです。

     

    修学旅行などで、布団をかぶって声を出すと周りに音が漏れにくいのは、布団がやわらかいからなんですね。

     

    次ページ音の3要素は「大小」「高低」「音色」

    ※本記事は、『中学受験「だから、そうなのか!」とガツンとわかる 合格する理科の授業 生物・物理編』(実務教育出版)から抜粋・再編集したものです。

    中学受験「だから、そうなのか!」とガツンとわかる 合格する理科の授業 地学・化学編

    中学受験「だから、そうなのか!」とガツンとわかる 合格する理科の授業 地学・化学編

    立木 秀知

    実務教育出版

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