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音の3要素は「大小(強弱)」「高低」「音色」
大小・高低・音色。これが音の3要素です。
たとえば、少しうるさめの「ラ」の音をバイオリンの音色で出すなら、
というような感じになり、この三つを変化させることでどんな音が出るのかが変わるということですね。まず、音色について考えていきますよ。
音の正体は振動です。その振動をつくる波の形が、ものによって違うのです。楽器によって音が違うのも、人によって声が違うのも、この波の形が違うからなのです。
では、音の大小とはなんなのでしょう?
これは、振動の幅の違いです。わかりやすいのはギターの弦や大太鼓。大きな音が出ているときは、揺れる幅も大きくなっていますよね。振動の幅の差が空気を震わせる幅の差となっているということです。
音の大きさを表す単位はdB(デシベル)がよく使われます。
では、音の高低の差はなんでしょうか?
これは、振動数の差です。一般的にはHz(ヘルツ)という単位が使われます。1秒間に震える回数のことですね。
単位時間あたりの振動数が大きければ大きいほど高い音、振動数が小さければ小さいほど低い音になります。
横向きのばねをイメージしてみてください。つぶれた「ばね」のように、波形がつまっていればいるほど高い音、伸びた「ばね」のように波形にあいだがあればあるほど低い音ということです。
人間の耳に聞こえるのは、20~20000Hzくらいの範囲だと言われています。振動数が20000Hzより大きい、人間には聞こえない高い音が超音波です。
体積が大きいほうが、音は低くなる
振動数に関しては、二つの物を比べてどちらが高い音を出すのかを判断できる必要があるので、説明していきますね。
水筒をフーフー吹(ふ)いて、笛のように音を出したことはあるかな? そのときの音の高さは水筒の中身がどれくらい残っているかで変化するから、今度やる機会があったら注意して音を聞いてみてね。
さて、実験では水筒ではなく試験管やコップを使います。
試験管に水を入れて吹くと水の少ないほうが低い音が、コップに水を入れてコップの横(水の入っている部分)を叩くと水が多いほうが低い音が鳴ります。なんでだろうね。
答えは、体積の大きいほうが低い音が鳴るからです。体積が大きいということは、重いということです。重いものは震えにくいので振動数が少なくなって低い音が鳴る、という理屈です。
だから、ギターは細い弦よりも太い弦のほうが、木琴は小さい板よりも大きい板のほうが、体積が大きいので低い音が鳴るんですね。
試験管を吹いたときに振動するのは、中の空気です。水の量が少ないほうが空気の量は多くなるので低い音が鳴る。
コップの横を叩いた場合に振動するのは、水を含(ふく)めたコップ全体です。当然水が多く入っているほうが、振動する部分の体積が大きいので低い音が鳴るのです。
立木 秀知
中学受験専門塾ジーニアス