※画像はイメージです/PIXTA

わが子を難関私立中学に進学させたい親は、合格のためにどの程度の知識が求められるか、自身で体感してみることも有益です。ここでは科目を理科に絞り、中学受験に必要な学習内容とその難易度を、有名塾の講師が作成した参考書をもとに紹介します。今回は化学の「気体の性質」です。※本記事は、『中学受験「だから、そうなのか!」とガツンとわかる 合格する理科の授業 地学・化学編』(実務教育出版)から抜粋・再編集したものです。

酸素の性質…覚えるべきは「助燃性がある」1つのみ!

酸素の性質で覚えるべきことは一つ。

 

助燃性がある。これで終わりです。

 

よく「無色透明無臭」など、いろいろ書かれていたりしますが、覚える必要はありません。助燃性、つまり、ものが燃えるのを助ける性質があることだけ覚えておけばOKです。

二酸化炭素の性質…覚えるべきことは「4つ」

二酸化炭素の性質で覚えるべきことは四つです。

 

石灰水(水酸化カルシウム水溶液〈すいようえき〉)を白くにごらせる

空気の約1.5倍の重さ

水酸化ナトリウム(水溶液)によく吸収される

 

この三つは必ず暗記!最後の一つが、

 

二酸化炭素は水に溶(と)けると炭酸水になる

 

押さえておいてくださいね。二酸化炭素は温室効果ガスと呼ばれることも知っておきましょう。

 

地球が宇宙空間に出す熱(赤外線)を吸収するので、二酸化炭素が増えると地球温暖化が進んでしまうという理屈です。

 

ただ、逆に二酸化炭素が減りすぎてしまうと気温が下がり、寒冷化が進みます。大切なのはバランスなのです。

 

二酸化炭素の空気中の割合は、長らく0.03%ほどでした。それが、この数十年で増加し、いまは0.04%になっています。

 

え!? たった0.01%しか増えてないじゃないかって?

 

その発想ではダメですよ。絶妙な配合バランスが大切なのに、「特定の物質だけ4/3倍になっちゃった」と考えなくてはなりません。

 


二酸化炭素の量はバランスが大事

酸素と二酸化炭素を発生させる方法、覚えてる?

酸素も二酸化炭素も、三角フラスコにコック付きろうと管をつけた下図のような装置で発生させます。注意してほしいのは、気体を出すガラス管は、コック付きろうと管よりも短くしなければいけないことです。

 

酸素と二酸化炭素の発生方法

 

もしフラスコのなかで、ガラス管のほうが長いと、液体を入れたときにガラス管が液体につかってしまいます。すると、フラスコ内の気体は出ていくところがありません。それどころか、気体がなかにたまると内部の圧力が上がり、コック付きろうと管のせんを開いたら液体が逆流することもあります。そうならないように、設置のときは気をつけましょう。

 

装置に入れるものをまとめたのが下の表です。

 

 

過酸化水素水は液体二酸化マンガンは黒い固体です。二酸化マンガンの代わりに生のレバーや生のジャガイモを使ってもOK です。

 

(うす)い塩酸は液体炭酸カルシウムは白い固体です。炭酸カルシウムが主成分のものは、石灰石、卵の殻(から)、チョーク、貝殻(かいがら)などがあります。

 

ここの太字は、絶対に暗記してくださいね。

 

 化学のミニCOLUMN 

 

二酸化炭素は、重曹(じゅうそう)(炭酸水素ナトリウム)を酸性の液体と反応させるか、重曹を熱することでも発生します。重曹はベーキングパウダーというものにたくさん含まれていて、たとえばパンケーキは、焼くときに熱されて発生した二酸化炭素で生地が膨(ふく)らむのです。二酸化炭素が出ていくときに、なかに蜂の巣のようなすきまができます。

 

 

立木 秀知
中学受験専門塾ジーニアス

 

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