※画像はイメージです/PIXTA

わが子を難関私立中学に進学させたい親は、合格のためにどの程度の知識が求められるか、自身で体感してみることも有益です。ここでは科目を理科に絞り、中学受験に必要な学習内容とその難易度を、有名塾の講師が作成した参考書をもとに紹介します。今回は化学の「水の性質」です。※本記事は、『中学受験「だから、そうなのか!」とガツンとわかる 合格する理科の授業 地学・化学編』(実務教育出版)から抜粋・再編集したものです。

膨張と収縮について知っておこう

ものは温度が上がると体積が増えます。このことを膨張(ぼうちょう)と言います。逆に、温度が下がると体積は減る。このことを収縮と言います。

 

つまり、みんなが座っているイスは冬よりも夏のほうが大きくなっているのです。「そんなバカな!?」と思うかもしれませんが、本当です。

 

 

ただ、イスの大きさの変化は、目で見てもほとんどわかりません。それは、イスが固体だからです。

 

温度によって変化する度合いのことを、膨張率(ぼうちょうりつ)と言います。これは「もの」によって違います。固体は膨張率が小さいのです。

 

★化学の深掘り★

膨張や収縮をして、体積が変化しても重さは変わりません。イスは夏に大きくなっても、重くはならないのです。頭の片隅においておきましょう。

気体の膨張と収縮は、周りにあるものの変化で確認する

気体は膨張率が大きいのですが、目に見えません。だから、気体の膨張を観察するためには、その周りにあるものの変化を観察する必要があります。

 

たとえば、図のようにビニール袋をつけたフラスコをお湯につけると、ビニール袋は膨(ふく)らみます。フラスコ内の空気が暖まって膨張したからです。

 

 

気軽にできる実験も紹介しておきましょう。

 

空のペットボトルに水を少し入れてフタをし、よく振ってください。フタを取り、ペットボトルの口を少し濡らして、さかさまにフタを置きます。このとき、フタも濡らしておくといいでしょう。

 

その状態でそっとペットボトルに手をそえると、フタがカタカタ動きます。これは、手で暖められ膨張した空気がフタを押し上げるからです。

 

水の「集まろうとする力」がフタとボトルのすき間をふさいでいるので、膨張した空気が外に逃げようとして、フタがカタカタ動くのです。

 

実験:暖まった空気が膨張する

 

立木 秀知
中学受験専門塾ジーニアス

中学受験「だから、そうなのか!」とガツンとわかる 合格する理科の授業 地学・化学編

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