(※写真はイメージです/PIXTA)

投資はリスクが伴います。しかし、リスクは分散投資によって低減することができます。銘柄、地域、時間…いくつかの異なる方法があるといいます。リスクの分散方法を解説します。※本連載は、後藤康之氏の著書『最強の外資系資産運用術』(日本橋出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

換金できないことも。投資のリスクを3つに分類

投資をするということは、投下したお金と交換で金融商品を取得すること、でしたが、様々なリスクも紐づいてきます。その中でもいくつかに分類ができます。

 

①価格変動リスク

 

株式では、株価変動リスクと呼ばれ、株価が上下変動する可能性があり、その要因は日本国内外、各国の景気や経済の動向、政治や経済の情勢のほか、企業業績など、複合的にかみ合って起こる可能性があります。

 

債券では、金利変動リスクと呼ばれ、金利の上下変動により、債券の市場価格が変動する可能性があります。また金利と債券価格は逆の動きをしますので、金利上昇は債券価格の下落を意味し、金利低下は債券価格上昇となります。

 

為替では、為替変動リスクと呼ばれ、異なる通貨の為替相場や他の金融相場の動きにより、外貨建ての円換算による金融商品の価値が変動する可能性のことを指します。

 

②投資先の信用・破綻リスク

 

信用リスク(デフォルト・リスク)と呼ばれており、所謂株式や債券などを発行している主体が、財政難や経営不振などを理由に元本や利息の一部または全部を返済する能力がなくなる可能性を指します。もし主体が破綻となると、基本的に株式価値が一番最初の損失(毀損)を出し、株式価値はゼロとなり得ます。

 

③売買リスク

 

流動性リスクは、市場で金融商品を売りたいときに売ることができなかったり、希望する価格で売れなかったりする可能性があるということです。

投資のリスクは分散することで減らせる

上記リスク低減の方法の中でも有名なのが、分散投資です。また分散投資にもいくつか異なる方法があります。

 

■資産クラス(株式・債券・その他)分散やその資産クラス内での銘柄分散

 

投資対象となる資産クラスや、株式・債券等の銘柄は多数あるものの、それぞれの資産は、異なる動きをするわけです。このような資産間や銘柄間での値動きの違いに着目し、異なる値動きをする資産を取り入れながら投資し、リスク分散を図ります。

 

■日本国内や海外(米国、欧州、アジア、先進国・新興国)という地域分散

 

投資対象の異なる場所や事情、為替変動により、投資する資産の値動きも異なります。こうした対象地域による値動きの違いに着目し、異なる状況にある地域の資産や銘柄、通貨を取り入れる投資が地域分散であり、価格変動のリスク等を軽減することができます。

 

■投資のタイミングを一つとせず、時間(時期)をずらす時間分散

 

一度に多額の投資を行うのではなく、積立投資のように、定期的に投資を行うことで、高い価格で少なく投資する時期と、低い価格で多く投資する時期が生じ、長い目でみて価格が平準化されることで、一時の価格変動リスクを取らない、という時間分散(所謂ドル・コスト平均法)のリスク分散手法になります。

どう投資すべきか?投資の神様からのヒント

投資する先の国や企業、株式や債券、またリスク分散のための分散投資がたとえ理解できたとしても、そこからどのように投資すべきか、という疑問が残ります。そこで一つヒントとなるのが、投資の神様と言われるウォーレン・バフェット氏のコメントにあると思います。それは、S&P500(米国の株式指数の一つ)を模倣したファンド、所謂インデックスファンドに長期的に投資すべきだ、ということです。それは2020年のコロナ禍で行われた、バフェット氏の会社の年次総会でも話していました。※1

 

※1(“Warren Buffett: For most people, the best thing is to do is owning the S&P 500 index fund”
https://www.cnbc.com/video/2020/05/04/warren-buffett-investing-advice.html)

 

インデックスファンドの特徴としては、市場全体のパフォーマンスを模倣しているおり、また低コストで、且つ少額からの投資が可能である点です。インデックスファンドは日米株式市場以外にも多種多様にあり、個人投資家の方でも証券会社に口座を開けたら、様々な資産クラスに、地域分散と時間分散を行いながら投資できますので、長期投資の一助にご活用ください。

 

後藤 康之
日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)
国際公認投資アナリスト(CIIA)

 

 

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