(※写真はイメージです/PIXTA)

診療報酬の削減やコロナ禍による受診控え、それに伴う「長期処方患者」の増加…。クリニックの経営環境は苦しくなる一方です。コロナ禍が収束すれば経営状況も回復すると考える医師も少なくないようですが、開業医の未来は、決して楽観視できるものではありません。ただ診察をこなすだけでは淘汰される時代において、クリニック経営者に求められるスキルや姿勢とはどのようなものでしょうか。

「経営面は医療コンサルにおまかせ」も廃業リスク大

医師のなかには市場や競合の分析、マーケティングなどを「医療コンサルタント」などに任せる人もいます。経営に関する部分は外部の専門家に任せ、自らの限られたリソースを医学などに注ぐという考え方は、決して間違っていません。

 

ただし、実力のある医療コンサルタントを見つけだして依頼することはかなり難しいのです。

 

私も開院時、ある医療コンサルタントに話を聞いてみました。

 

ところが、その人がはじきだした1日あたりの見込み患者数は、たったの20人。現在、私の院には1日平均200人の患者が押し寄せていますから、彼の分析はまったくの的外れだったのです。

 

医療コンサルタントの多くは、東京などの大都市圏で仕事をしています。そのため、開院予定地域や競合医療機関の実情などをよく分かっていません。

 

そこで、診察圏内人口や開院予定地の人通りなどを機械的に分析し、小手先のマーケティングをするケースがほとんどなのです。評判のいい医療機関はコンビニエンスストアなどとは異なり、かなり離れた地域からも患者が集まりますが、「医療コンサルタント」と名乗っていても、そうした業界特性すら読み切れていない人は珍しくありません。

 

能力が低いのに高い料金だけを徴収する悪徳コンサルタントに依頼してしまったら、クリニックの経営はすぐに傾きます。

 

そこで、仮に専門家に経営への助言を依頼するとしても、彼らの善し悪しを見分ける目が医師には必要です。そして目利きになりたいのなら、やはり、ある程度の経営力が求められます。

 

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※本連載は、鈴木幹啓氏の著書『開業医を救うオンライン診療』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

開業医を救うオンライン診療

開業医を救うオンライン診療

鈴木 幹啓

幻冬舎メディアコンサルティング

「3分診療」で収益倍増! 1日で最大350人もの外来患者を診る地方開業医が、開業医受難時代の起死回生の一手を語る。 新型コロナウイルス感染拡大で多くの患者が受診控えを行ったことにより、開業医は苦境に立たされてい…

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