(※写真はイメージです/PIXTA)

患者にとって、外出しなくても医療機関にかかれる「オンライン診療」ほど便利なものはありません。コロナ後もオンライン診療のニーズが消えることはないでしょう。とはいえ、誤診リスクは高く、導入コストが大きいのに診療報酬は安いなどの理由から、なかなか普及しないというのが現状です。そこで本稿では1日200人以上の患者を診るという「日本一忙しい小児科医」が、オンライン診療のトラブルを防ぎ、たくさんの患者を無駄なく診察するためのポイントを解説します。

患者が「録画」していたら…オンライン診療の怖い点

オンライン診療では医療機関側、患者側ともに、相手の承諾なしに映像を記録することが禁じられています。ただし、患者側が診療の様子を録画する可能性は十分に考えられます。

 

そして、オンライン診療でなんらかの問題が発生した際に、その映像が証拠として持ち出されることもあり得ます。

 

こうしたトラブルを未然に防ぐため、診療内容はできるだけ記録するようにしましょう。もちろん、会話内容をすべて記録する必要はありません。診療時に交わされる可能性のあるやり取りをテンプレートとしてまとめておき、きちんと説明をしたら丸印を付けるなどの手法で効率よく処理するのがいいでしょう。

「会話の内容」や「予防接種の予定」もしっかりメモ

記録すべきなのは診療内容だけではありません。患者と交わした世間話や趣味の話などについても書き留めておきましょう。

 

なお、こうした情報はカルテの2号紙部分に記録すると、時間の経過とともに流れてしまい、あとで目に触れることがなくなります。

 

そこで、これらは電子カルテのメモ機能の部分に記入しておきましょう【図表】。

 

【図表】私の院で実際に使用している電子カルテ(メモ欄を活用する)

 

また、私はメモ欄に、予防接種のスケジュールなども書き込みます。例えば、年齢的に日本脳炎の接種期限が迫っている患者がいたら、メモ欄に記入しておき、診察の際に「そろそろ日本脳炎の接種をしなければいけませんね」と伝えるのです。こうすることで患者は接種漏れを防ぐことができますし、私たちとしても、ほかの病院で接種されて機会損失をする危険性を避けることができます。

 

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次ページオンライン診療では記憶力をアテにできない

※本連載は、鈴木幹啓氏の著書『開業医を救うオンライン診療』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

開業医を救うオンライン診療

開業医を救うオンライン診療

鈴木 幹啓

幻冬舎メディアコンサルティング

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