(※画像はイメージです/PIXTA)

手間がかからないといわれる不動産投資は、多忙な医師向けと言われていますが、最初は誰にでも紆余曲折があるというもの。なかには勤務先の看護師や患者から金儲けに走る医師なんていう陰口をたたかれて、自身の倫理観について悩むこともあるかもしれません。数千万~数億円単位のお金を動かすのですから躊躇することもあるでしょう。実際に投資用物件を購入した医師は、どのようにハードルを乗り越え、どのような成果を得たのでしょうか。成功した医師たちの体験談をご紹介します。

激務でも夢を諦めず、ミニマムな投資からスタート

内科の勤務医、田中さん(仮名)の夢はカンボジアの貧しい人たちに日本の医療を提供する、というものでした。海釣りが趣味の彼は、年に2回は海外へ釣りにでかけるほどのマニア。近年ではインドネシアのバリ島やモルディブへ遠征していました。東南アジアにもよく出かけていた田中さんは、自然とその周辺にも詳しくなり、満足に医療を受けられない人がたくさんいるカンボジアの現状を知ったのです。

 

しかし、日本での生活は、朝から晩まで診察や当直をこなす毎日。絶え間ない激務のために、壮大な夢こそ描いていましたが、自分はうつ病かもしれないと考えるようになるまで追い詰められてしまいました。

 

勤務医ということもあって、労働に見合った収入ではありません。そのうえいくら働いたところで給料はあがらない現実。2人の子どもの学費などを考え、何か副収入になるものはないか、と不動産投資を始めたそうです。

 

営業担当者のすすめる2,000万円のワンルームマンションを購入したのがはじめての不動産投資でした。家賃保証を付ければ空室の心配はなく、管理や入居者募集は不動産会社がやってくれるので想像以上に楽だったそうです。節税もできるなど、資産形成にはこれがいいと思った田中さんは、その後に投資用マンションを4戸追加購入。病院でのアルバイトを減らすことができ、徐々に激務から解放されたのです。

 

順調に資産形成が進んだ田中さんは、ついに夢の実現へと踏み出しました。国内ではなく、カンボジアの首都プノンペンにある9階建てテナントビルを購入したのです。そして、1フロアを内科クリニックに改修し、まずは現地の日本人富裕層をターゲットとしたクリニックを開業しました。

 

資金的にも余裕ができてきた田中さんは、医師としてのアルバイトをさらに減らし、日本とカンボジアを行き来しています。そして当初の夢だった貧しい人たちへの医療提供を目指し、日々奮闘しています。

開業資金は生活費を削るより投資で増やす

ビジネスマンのなかには、いずれ一国一城の主を目指し、会社を設立しようという夢を抱く人がたくさんいます。医師も同様で、いつかは開業医になりたい、という夢を抱いている人も多いことでしょう。

 

小児科に勤務するベテランの金森(仮)さんも、開業医を夢見るひとりでした。仕事熱心な彼は、酒もたばこもたしなまず、通勤は自転車という倹約ぶり。アルバイトも4つ掛け持ちをして、開業資金を必死に貯めていました。彼の家族もまた、奥さんは薬剤師で長男は研修医。長女と次女は看護師で次男は医大生という全員が医療に勤務する家族でもありました。

 

少しでも早く資金を貯めたい、と考えていた金森さんは株の運用もしていたのですが、手間がかかるうえに思うような利益があがりません。そろそろ潮時かな、と思っていた時に、知り合いから不動産運用の話を聞いたそうです。

 

興味を持った金森さんは、いくつかの不動産会社で話を聞き、株の運用から不動産運用に切り替える決意をしました。信頼できそうな会社から新築マンションを1戸購入。いざ賃貸運用してみると、ほぼノータッチで節税できることに面白さを感じました。毎年買い足していき、14戸のマンションを所有するまでになりました。

 

それまで物件管理は、それぞれ別の管理会社に委託していました。ただ14戸の立地が同じエリアにまとまっていることから、金森さんは管理会社を設立して法人として節税することを思いつきます。そして将来の小児科クリニック開業を見据えて、法人化の定款には「不動産管理」のほか「医療コンサルタント」も加えました。夢の実現の入り口に立った金森さん。あとは物件を探して開業するのみのところまでたどり着いたのです。

 

資産形成のために動かす資金というのは、どのような投資であっても高額になることは間違いありません。その投資にもリスクがあって当然なのですが、そのなかでも手間がかからない不動産投資に着眼した医師たちは、成功する例も多いようですね。資産形成の手段のひとつとして、不動産投資を知っておいて損はなさそうです。
 

 

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