いくら優秀でもお金がたまらない中堅医師
医師とビジネスマンの所得を比較した時、一般的に医師はビジネスマンの3倍程度の所得があるといわれています。しかし、勤務医の大半、なかでも中堅層は割に合わないという言葉を口にします。ここにはどうやら病院内における労働量の格差が原因になっている様子。
管理職クラスの医師は、当直や残業をしないケースがほとんどです。一方、40代のいわゆる中堅層の医師や研修医には、そうした実務がどんどんまわってきます。近年では若い研修医には、仕事とプライベートのバランスを重視するのか、激務となる診療科に就くことを敬遠する傾向がみられるようです。その結果、優秀な医師ほど24時間休みなしで働かざるを得なくなっているのが現状のようです。医師の約8割は当直明けからの1日勤務を行っているというデータは、これを裏付けるものでしょう。
また、多くの病院組織では、いまだに年功序列制度が続いているようです。そのため、管理職は働かなくても地位に見合った給料が貰えるのですが、若手・中堅医師は彼らの倍働いても給与額に変化はありません。こうした現状が、割に合わないという言葉が生まれる要因になっていることは間違いないでしょう。
お金の貯まらない医師に見られる2つの特徴
せっかく高所得な医師という職業なのですから、お金で苦労する生活からは脱却しなければ意味がありません。そのためにはまず、お金が貯まらない医師の特徴を知っておく必要があるでしょう。大きく分けて、次の2つの条件が、お金の貯まらない医師に共通していることです。
ひとつは大学病院に勤める医師。元来、大学病院の存在意義とは、臨床よりも医師を育てることと医学の研究にあります。多額の運営費がかかりますから、医局の医師に支払われる給料は平均よりも低め。そのうえ博士号を取得するためには、授業料を支払って大学院に入る必要があります。
もうひとつは家族が資産を浪費しているケース。たいていの場合、奥様に財布の紐を握られている医師がこれに該当します。自分は量販店の安物スーツを着ているのに、奥様はファッション誌で紹介されるようなブランド服。父と同じ医学部を目指す子どもは小学校から私立通いで、他にも学習塾や予備校の費用がかかります。医学部に合格した後にも高額な学費を支払わなくてはなりません。これでは高額と思っていた給料でも、資産を蓄えることは難しいのです。
お金を貯める典型的な例は開業医という現実
勤務医の平均年収が1500万円前後であるのに対して、開業医の平均年収は3000万円前後と高額所得者が多いことがわかります。その上開業医に話を聞くと、多くの人が収入増とストレス減、体調の向上を口にします。しかし、すべての開業医が成功するわけではありません。独立するには、医師としてのスキルだけではなく、医療機関ならではの経営ノウハウも必要になるからです。
大学病院や公立病院ではブランド力で患者を呼ぶことができます。しかし、開業したばかりのクリニックでは認知度も低く、規模も小さいこともあり、院長の人柄やスキルで勝負するしかありません。これは、個人病院とは医療機関ではあってもサービス業に近い存在であるということ。すなわち患者は「お客様」である以上、いかに患者にとって魅力的なクリニックなのか、という点にかかってくるのです。
医師がキャリアプランを考える際、最終的には独立開業を目指すケースが多いようです。ただし、開業するためには、計画的な資産形成が必要不可欠。ところが忙しい勤務医の前には、そのための情報収集と独立資金のふたつの壁が立ちはだかるのです。
現実的な資産運用法こそ金持ち医師への近道
何事においてもそうですが、目的を達成するために必要なことは行動する、ということ。独立開業して勝ち組の仲間入りをすると決めたのであれば、ステップアップする行動をしなければいけません。そのひとつが情報収集と独立資金という壁を乗り越えること。この壁を乗り越えるためには、多忙な勤務医が考えなければいけないことがあります。それは、それほど予備知識の必要がなく、管理時間も少なく、資産形成の道筋が見通せる投資を探す、ということです。
この条件をクリアしている投資のひとつに、不動産運用があります。不動産運用による資産形成は比較的単純であり、それほど苦労せずに身につけることができます。また、賃貸管理に関しては、プロの管理会社に任せることができますので多忙の医師にはもってこい。収入ベースは安定的に入金される家賃なので、資産の蓄積状況が着実に把握できる点も魅力的といえるでしょう。