(※写真はイメージです/PIXTA)

コンクリートは水に強いもの。しかし、マンションの防水によるトラブルは決して珍しくはありません。マンションの防水や、購入時のチェックポイントについて、7年間で約500件の不動産取引の経験を持つグランドネクスト株式会社代表・小島優一氏が解説します。

水に強いコンクリート…どんな防水加工が必要?

次に、マンションの防水について詳しく説明します。マンションの防水施工が必要な理由や防水加工の種類、耐用年数などを見てみましょう。

 

■マンションになぜ防水施工が必要か

 

先に述べた通り、コンクリートそのものは水に強くても、ひび割れや継ぎ目などから水が入り込むと、コンクリート自体の腐食やカビ、鉄筋のサビなどの原因となり、水の量によっては雨漏りの原因にもなります。当然ですが建物の耐久性にも影響するため、コンクリート内に水が入り込まないようにするための防水施工は必要不可欠です。

 

■防水加工の耐用年数

 

マンションに施される防水加工には、いくつかの種類があります。主な防水加工と耐用年数は、次の通りです。

 

●ウレタン防水:ウレタンを塗布して防水する。耐用年数は10~15年(5年程度でトップコートの塗り直しが必要)

 

●シート防水:塩化ビニルのシートを敷き詰めて防水する。耐用年数は10~15年程度。

 

●FRP防水:強化プラスチックを吹き付けて防水する。耐用年数は10~12年程度。

 

●アスファルト防水:アスファルトとシートを組み合わせて防水する。耐用年数は20~25年程度

 

いずれの防水加工も永久に防水効果があるわけではありません。一般的にはマンションの大規模修繕の際に、屋上や外壁、廊下、バルコニーといった場所の防水施工をやり直すことが多いです。

 

■タイルの劣化がトラブルの場合も

 

中低層マンションの外壁に用いられているタイルも、劣化によって水が躯体(くたい)に入る原因になることがあります。一見、タイルが割れたり剥がれたりしていないようでも、目地の部分が劣化していたり外壁の下地からタイルが浮いていたりすることがあるので注意が必要です。タイルの劣化は、防水トラブルを引き起こす恐れがあるだけでなく、剥がれて落下する恐れもあります。

 

※ 目地…建築物における、タイルや石材の継ぎ目のこと。

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