ネット販売の活発化…不動産市場にも「神風」のワケ
「物流施設特化型」のJリート株価は上昇している。ここ十年間、実店舗での物販業の多くは減少傾向にあり、一方、ネットやテレビショッピングなどの無店舗販売は年々伸びていた。さらに、コロナ禍で外出自粛要請が強まったことで、「非接触」のネットによる購入は多くの人々に受け入れられ活発化した。
従来までの流れに、コロナ禍が拍車をかける役割を果たすことになった。「非接触型」不況が日々深まっていく中で、「非接触」の手法を利用、実現することで、物流を活性化、拡大する施設の需要は飛躍的に強まった。
この数年間、ネット経由の購入の増加が続いていることから、倉庫・大型配送センターの大量供給が、2大都市圏のインターチェンジの近くで続いていた。その結果、周辺の地価は上昇し、物流施設の賃料も強含みで推移していた。
2020年のコロナショック以降は、物流施設の需給関係は急激に逼迫し始めていて、首都層では、空室率はゼロに近付いてきている。物流施設の市場には、強大な「神風」が吹いている。
幸田 昌則
不動産市況アナリスト