※画像はイメージです/PIXTA

親御さんが倒れたら、介護にはどのくらいの期間とお金がかかるのでしょうか。また、誰がメインで介護をするものなのでしょうか。介護事業を運営する、株式会社アテンド・代表取締役の河北美紀氏が、データを用いて解説します。※本記事は、書籍『身近な人の介護で「損したくない!」と思ったら読む本』(実務教育出版)より抜粋・再編集したものです。

「高額介護サービス費支給制度」市区町村へ確認を!

介護保険では、所得に応じて自己負担額の上限が決められています。たとえば、両親が自身で介護サービスを利用して自己負担金を支払った際、「父親の自己負担額だけでは上限額に達しないものの、母親の自己負担額を合計すると、世帯における合計額を超える」ということもあります。その場合、それぞれにあん分された金額が支給されることになります。制度を利用する際は、市区町村から送られてくる支給申請書の提出が必要になります。詳しくは、お住まいの市区町村へ確認してみましょう。

 

<支給対象とならないもの>

 

●福祉用具購入費や住宅改修費の自己負担分

●施設サービスの食費、居住費や日常生活費など

 

2021年8月、「介護保険」の自己負担限度額が上がりました[図表3][図表4]。医療費の自己負担限度額に合わせた改定となり、「現役並み所得」(現役レベルの収入がある層)の限度額がより細分化されます。今後も自己負担額の上昇が見込まれるため、医療費・介護費の減額制度をしっかり活用しましょう。市区町村から送られてくる支給申請書の提出や、制度の利用に関する確認を、面倒がらずに行いましょう。

 

[図表3]高額介護サービス費の見直し

 

同一世帯で、1年間に支払った「医療費」と「介護保険サービス費」の自己負担額の合計が基準額を超えた場合は、所得に応じて自己負担額が減額されます。

 

●対象期間:毎年8月1日~翌年7月31日までにかかった自己負担額

●対象者:国民健康保険・後期高齢者医療・被用者保険の加入者

 

市区町村によっては、案内を送ってくれるところもあります。ただし該当する期間中に医療保険が変わった人については、案内が届かない可能性もありますので、医療保険者や市区町村の担当窓口に確認することをおすすめします。

 

出典:厚生労働省「高額療養費制度の見直しについて(概要)」
[図表4]70歳以上の医療保険・介護保険自己負担額を合算した負担限度額 出典:厚生労働省「高額療養費制度の見直しについて(概要)」

 

 

河北 美紀

株式会社アテンド 代表取締役

 

 

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