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介護離職後に後悔する「3つのこと」
さまざまな調査結果によると、介護離職をした人の8、9割が「後悔している」と回答しています。突然親の介護が必要になったとき、真面目な人であるほどひとりで抱え込んでしまいがちです。そして、その大変さから「介護に専念しよう」と思ってしまい、離職を選択することが多いようです。
仕事をしながらの介護はとても大変ですが、ずっと続くわけではありません。何より将来の自分のため、一度冷静になることも大切です。
介護離職をすすめない理由の第一は、大幅な収入減少があることです。子が親の介護をする必要が出てくる時期は、50代以降というケースが多いです。50代というのは賃金がピークの時期であると同時に、子育ても一段落し、老後に備えてお金を作っていく大切な時期です。
親が生きている間は、自分の貯蓄と親の年金で生活が成り立つケースもありますが、親が亡くなれば年金もなくなります。前職と同じ条件で復職できる可能性は極めて低いため、「一度介護離職をすれば二度と同じ給料はもらえない」と考えて間違いないでしょう。
また、介護離職をしたら体も楽になると思ったのに、自宅にいるとかえって見守りの時間が増え、休めるどころかさまざまなことに目が行ってしまい、精神的負担で体調を崩す方もいます。
「少しでも楽になりたい」との思いから仕事をやめたのにもかかわらず、家に閉じ込もった環境で介護を続けることで、残念ながらかえって負担が大きくなる人が大半です。
[図表]は、「介護離職者への意識調査」の結果です。
●「精神面での負担が増した」と答えた人 64.9%
●「肉体面での負担が増した」と答えた人 56.6%
●「経済面での負担が増した」と答えた人 74.9%