物流DXが進まない…原因は「経営者」にあり
中小製造業では物流DXがほとんど進んでいません。それは企業の規模や資金力が原因ではありません。原因は経営者にあると私は考えています。
私たちの会社は企業の物流改革を支援していますが、ミーティングの場にトップやトップに近い権限をもった経営層が出て来ないことがあります。現場の社員に「おまえたちDX頑張れよ」と指示を出すだけなのです。
中小企業の経営者には高齢の方も多く、「デジタル」に苦手意識をもっている人が多いからでしょう。だからこそ現場に丸投げしてしまうのですが、DXは現場の仕事をIT化して業務を効率化するような改革とはまったく次元が違います。
単にIT化による特定の業務の課題解決ではなく、デジタル技術を活用して企業に大きな変革をもたらすことができます。デジタル技術はそれだけの可能性をもっています。だからこそトップ自らが決断し、決意をもって進める必要があるのです。
とはいえ、経営者が一人で考えたり決断したりするのは難しい場合もあります。そのようなケースでは外部のコンサルティング会社に入ってもらう、あるいは社内のさまざまな部署からメンバーを集めてプロジェクトチームを立ち上げるのもいいでしょう。
どんなことであれ、経営者が行動を起こすことが大事であり、それが社員に伝わることが重要です。