(※写真はイメージです/PIXTA)

新型コロナウイルスの感染拡大により、ネットショッピングの需要が急激に高まっています。一方、物流件数の増加・複雑化に伴う人材不足と運賃上昇が課題となっており、この課題解決のために現在注目されているのが、デジタル技術を活用してビジネスモデル変革を行う「DX(デジタルトランスフォーメーション)」です。今回は、物流業界で起きたイノベーションが日本のコンビニ業界にもたらした変化を見ていきましょう。

物流DXが進まない…原因は「経営者」にあり

中小製造業では物流DXがほとんど進んでいません。それは企業の規模や資金力が原因ではありません。原因は経営者にあると私は考えています。

 

私たちの会社は企業の物流改革を支援していますが、ミーティングの場にトップやトップに近い権限をもった経営層が出て来ないことがあります。現場の社員に「おまえたちDX頑張れよ」と指示を出すだけなのです。

 

中小企業の経営者には高齢の方も多く、「デジタル」に苦手意識をもっている人が多いからでしょう。だからこそ現場に丸投げしてしまうのですが、DXは現場の仕事をIT化して業務を効率化するような改革とはまったく次元が違います。

 

単にIT化による特定の業務の課題解決ではなく、デジタル技術を活用して企業に大きな変革をもたらすことができます。デジタル技術はそれだけの可能性をもっています。だからこそトップ自らが決断し、決意をもって進める必要があるのです。

 

とはいえ、経営者が一人で考えたり決断したりするのは難しい場合もあります。そのようなケースでは外部のコンサルティング会社に入ってもらう、あるいは社内のさまざまな部署からメンバーを集めてプロジェクトチームを立ち上げるのもいいでしょう。

 

どんなことであれ、経営者が行動を起こすことが大事であり、それが社員に伝わることが重要です。

次ページこれまで物流分野で起きたイノベーションとは

※本連載は、東 聖也氏の著書『WMS(倉庫管理システム)で実現する中小製造業の物流DX』(幻冬舎)より一部を抜粋・再編集したものです。

WMS(倉庫管理システム)で実現する中小製造業の物流DX

WMS(倉庫管理システム)で実現する中小製造業の物流DX

東 聖也

幻冬舎

多くの中小製造業では、倉庫管理や製品を配送する物流工程に課題を残している可能性があります。例えば、多くの倉庫ではいまだ手書きで帳簿をつけたり、エクセルなどで手動で製品の管理を行っています。また、「手配する」「梱…

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