(※写真はイメージです/PIXTA)

新型コロナウイルスの感染拡大により、ネットショッピングの需要が急激に高まっています。一方、物流件数の増加・複雑化に伴う人材不足と運賃上昇が課題となっており、この課題解決のために現在注目されているのが、デジタル技術を活用してビジネスモデル変革を行う「DX(デジタルトランスフォーメーション)」です。今回は、物流業界で起きたイノベーションが日本のコンビニ業界にもたらした変化を見ていきましょう。

物流DXが日本のコンビニエンスストアを変えた

国内の物流にも、過去にこの「標準化」と「省人化」でイノベーションを起こした業界があります。それはコンビニエンスストアの配送と宅配物流です。いずれもそれまでの物流の概念を覆すことで、飛躍的に市場を伸ばしました。

 

日本のコンビニエンス配送と宅配物流が実現した高度で確実な商品配送は、世界トップレベルです。コンビニ配送では、現在商品を届ける配送車は1店舗・1日あたり約9台です。商品の品質を維持するための温度帯は常温・定温・チルド・冷凍の4つに分かれて確実に配送されています。

 

しかし、日本にコンビニが登場した当初は1店舗・1日あたり70台の配送車が商品を届けていたといいます。当時はメーカーごとに商品を配送するのが一般的だったため、食品のほか、日用品や雑貨までさまざまな商品を扱っているコンビニには、次々とトラックが訪れ、納品していったのです。

 

しかし、現在では共同配送センターによって店舗ごとに仕分けをしてこの回数を大幅に減らすことを可能にしたのです。これも「標準化」と「省人化」によるイノベーションの好例といえます。

 

 

東 聖也

株式会社オンザリンクス

代表取締役

 

 

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※本連載は、東 聖也氏の著書『WMS(倉庫管理システム)で実現する中小製造業の物流DX』(幻冬舎)より一部を抜粋・再編集したものです。

WMS(倉庫管理システム)で実現する中小製造業の物流DX

WMS(倉庫管理システム)で実現する中小製造業の物流DX

東 聖也

幻冬舎

多くの中小製造業では、倉庫管理や製品を配送する物流工程に課題を残している可能性があります。例えば、多くの倉庫ではいまだ手書きで帳簿をつけたり、エクセルなどで手動で製品の管理を行っています。また、「手配する」「梱…

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