「死ねとおっしゃるんですか?」75歳・家賃滞納女性が激怒…壮絶な「8050問題」の実態【司法書士の実録】 75歳・幸代さんは声を荒らげながら主張を続けます。(※写真はイメージです/PIXTA)

総額250万円以上の家賃を滞納する、70代夫婦と30代次男。家主が何を言っても、妻は自己を正当化し…。家賃滞納から見える社会問題について、OAG司法書士法人代表・太田垣章子氏が解説します。 ※本記事は、書籍『老後に住める家がない!』(ポプラ社)より一部を抜粋・編集したものです。

250万円の家賃滞納を「手紙」で言いくるめる老夫婦

◆訴訟手続き中に高齢者が死亡

 

古い戸建ての賃貸で、トータル3年分くらいの滞納となっていました。家主側は督促していなかった訳ではありません。毎月きちんと書面を出しても、その度に賃借人の加山聡さん(76歳)の妻幸代さん(75歳)からの手紙が届くのです。

 

その内容は、かれこれ30年ほど住んでいるということ(だからそれなりに情もあるでしょう?)、一生懸命に資金繰りをしているということ(それなりに誠意があるでしょう?)、資金の目処は立っている(だから後少しでしょう?)といったものでした。

 

毎回、自筆で数枚にも及ぶ手紙は、家主を憂鬱にさせるものでした。自己を正当化する主張が延々と続くと、「話し合っても噛み合わない」という印象を抱くことになり、そして「これじゃ、言い負かされてしまう」という落胆に繋がっていきました。向き合うのは、かなりのストレスだぞ……そう思うと、そこからの一歩が踏み出せなかったのです。

 

その思いのために、家賃7万円だというのに滞納額は250万円を超えてしまっていました。自分の手に負えないとしても、このままでは滞納状況が改善されるとは思えません。これは専門家に任せるしかない、そう思い事務所に来られたのです。

OAG司法書士法人代表 司法書士
株式会社OAGライフサポート 代表取締役 

30歳で、専業主婦から乳飲み子を抱えて離婚。シングルマザーとして6年にわたる極貧生活を経て、働きながら司法書士試験に合格。
登記以外に家主側の訴訟代理人として、延べ2500件以上の家賃滞納者の明け渡し訴訟手続きを受託してきた賃貸トラブル解決のパイオニア的存在。
トラブル解決の際は、常に現場へ足を運び、訴訟と並行して賃借人に寄り添ってきた。決して力で解決しようとせず滞納者の人生の仕切り直しをサポートするなど、多くの家主の信頼を得るだけでなく滞納者からも慕われる異色の司法書士でもある。
また、12年間「全国賃貸住宅新聞」に連載を持ち、特に「司法書士太田垣章子のチンタイ事件簿」は7年以上にわたって人気のコラムとなった。現在は「健美家」で連載中。
2021年よりYahoo!ニュースのオーサーとして寄稿。さらに、年間60回以上、計700回以上にわたって、家主および不動産管理会社向けに「賃貸トラブル対策」に関する講演も行う。貧困に苦しむ人を含め弱者に対して向ける目は、限りなく優しい。著書に『2000人の大家さんを救った司法書士が教える 賃貸トラブルを防ぐ・解決する安心ガイド』(日本実業出版社)、『家賃滞納という貧困』『老後に住める家がない!』(どちらもポプラ新書)がある。

著者紹介

連載GGO大ヒット連載ピックアップ~『老後に住める家がない!』

老後に住める家がない!

老後に住める家がない!

太田垣 章子

ポプラ社

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