(※写真はイメージです/PIXTA)

高崎経済大学経済学部教授、さくらジャパン税理士法人の税理士である田中久夫氏の著書『ロータリークラブに入ろう!』より一部を抜粋・再編集し、知られざる「ロータリークラブ」の魅力について解説する。

「昼間から酒を飲んでも大丈夫なのか?」真相は…

食事がでた。鰻重だ。新年度のお祝いだそうだ。ビールも並んでいる。あれ、昼間から酒を飲んでも大丈夫なのかな? 新年度のお祝いということで、年度最初の例会だけはアルコールが出るらしいが、僕はクルマで来たから当然飲めない。

 

周りを眺めていると、何人かのお爺さん会員たちが飲み始めている。あとで分かったことだが、その人たちは徒歩で帰れる町中の古くからの商店主いわゆる旦那衆と、送迎のクルマがある大企業の社長さんたちだった。

 

そうか、ロータリークラブというのは、こういったお金持ちで時間に余裕のある人たちが長年築いてきた会であって、僕なんかの新参の若造が馴染んでいくのにはそれなりの時間がかかるのだなと思った。僕はこの会に付いていけるのかいささか不安になった。ウナギの味は良く分からなかった。

会長が鐘を撞いて会はお開き。アッという間の1時間

その後、幹事の進行で理事会報告やら出席報告やらニコニコボックス(例会場で会員が自由意思で善意の寄付金を入れる箱。家族、会社などの慶事を例会で披露して皆と悦びを分かち合う趣旨。集まった寄付金はクラブの社会奉仕活動に使われることが多い)報告やらのわけの分からないことが目の回るスピードで続いて、やっとNK会長さんの20分ほどの講話(卓話という)になった。

 

さすがに会長は、落ち着いた話振りで、今年度のクラブ方針の説明をした。確か、会員をもっと集めたいとの内容だった。

 

いまになって思い返すと、ロータリーはずっと会員増強をテーマにしてきたんだなと思った。

 

最後にもう一度会長が鐘を撞いて会はお開きになった。アッという間の1時間だった。

 

隣に座っていた会員に尋ねた。例会の中で取り上げられていたいろいろな言葉やその意味についてだ。彼は下を向いてこう言った。「そのうち分かるよ」そうか、この人も詳しくは知らないのだ。

 

例会が終わると、いろいろな会員が寄ってきて名刺の交換をした。顔と名前、名刺も一致しないが、数十枚の名刺が手許に残った。あとで見返すと、それなりの会社の社長さんたちばかりだ。

 

来週までに整理して、早くクラブに馴染まなくては、と思った。

 

 

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さくらジャパン社会保険労務士法人 税理士
田中 久夫

 

1957年2月生まれ、群馬県高崎市出身

●現職
・高崎経済大学経済学部教授(会計学専攻)
・経営学博士
・さくらジャパン税理士法人 税理士
・さくらジャパン社会保険労務士法人 社会保険労務士

●ロータリー歴
1998年高崎ロータリークラブ入会、幹事を経て会長(2014~2015)
その後、国際ロータリー第2840地区ガバナー(2017~2018)に就任
現在は、国際ロータリー第1地域ロータリーコーデイネーター補佐(ARC)
公益財団法人ロータリー米山記念奨学会評議員、同会財務委員長

●主な著書
「商法と税法の研究」森山書店、「税務会計論序説」税務経理協会、「商法と税法の接点」財経詳報社、「不動産投資」ダイヤモンド社、「会計学を学んだあとの法人税法セミナー」学陽書房ほか多数

 

 

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『ロータリークラブに入ろう!』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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