「息子を可愛いと思えなくなった」と話す大友唯(仮名)さん

「自閉症スペクトラム(ASD)」3歳の息子がそう診断された―――原因は妊娠中の自身の行いだと自分を責め続け、ノイローゼになった大友唯(仮名)さん。「息子を可愛いと思えなくなった」と話す彼女と、息子さんを救ったとある医師の言葉をご紹介します。

私の息子は自閉症スペクトラム

大友唯さんの息子さんは現在、小学校1年生。今年の春、祖父母に買ってもらったピカピカのランドセルを嬉しそうに背負い、小学校に入学式しました。

 

それは他の子どもたちと何も変わりません。少し違うのは、その小学校が特別支援学校であるということです。

 

大友さんの息子さんは、自閉症スペクトラム(ASD)と診断されているのです。

息子が自閉症と診断された日

大友さんが息子さんの発達に最初に違和感を覚えたのは、1歳の誕生日を迎えた頃だったそう。

 

「あまり目が合わず、呼びかけても反応しないことが多く、意思疎通がうまくできないと感じていました。しかし、0歳児の頃からあまり泣かず、元々おとなしく育てやすい子だったので、それらも個性のうちだろうとあまり気にしていませんでした」

 

それでも、2歳を超えてもなお自分の世界に入りがちであることや、発語がかなり遅いことに不安を感じ、そこでようやく療育センターに相談しに行くことに―――。

 

「療育センターでは簡単なテストを受けたり、私の話を聞いたりしただけでしたが、すぐに『発達障害の恐れあり』と診断されました。すぐに診断が下るほど息子に典型的な症状があることに驚くとともに、すぐに療育センターに連れてこなかった自分を責めました」

 

そう話す、大友さん。

 

しかし、まだ3歳にもなっていないため、その時点では確定診断はできず、再度3歳児検診の時に検査を受けることになったそう。

 

そして、その3歳児検診で「自閉症スペクトラム」と診断が下りたのです。

気付いていたのに病院に連れて行かなかった私

大友さんは、初めに発達障害の恐れがあると言われた時、ショックでしばらく寝込んでしまったそうです。

 

仕事も休みがちになり、一番息子のそばにいながらなぜもっと早く病院に連れて行かなかったのかと、自分を責める日々―――。

 

「夫は『当然だけど君のせいじゃない。どうか自分を責めないでくれ』と言ってくれましたが、1歳時から発達に遅れがあること自体は気付いていましたし、それでも仕事の忙しさを理由に病院に連れて行かなかったのは紛れもない事実でした」

 

伏し目がちにそう語る大友さん。

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