現在は、それぞれバランスがとれた時代に
これらの歴史的経緯を踏まえ、現在は、不動産オーナーとホテルオペレーターのバランスが比較的とれた時代といわれています。
とはいえ、
●設備投資費用はどちらがどこまで持つか
●契約の解除権はどちらがどこまで持つか
●そもそも契約期間はどうするか
●ホテルオペレーター側の報酬の算出方法はどうするか
●ホテルオペレーター側が、総支配人以外にどこまでの人材を派遣するか
など、ボタンをひとつかけ違えただけで、大きな争いに発展しそうなポイントも多々あります。
ホテル運営の安定性を左右するのは、明確な契約内容
上記のようなポイントで争いを起こさないためには、やはり、最初の契約(マネジメント・コントラクト)を締結する際に、お互いにしっかり話し合いを行い、条件をすり合わせることが重要です。
それに加え、あとから「話し合った内容と違う」等のトラブルにならないよう、契約書の記載自体を正確なものにしておくことが必要でしょう。
筆者もこれまで多くのマネジメント・コントラクト締結のサポートを行ってきましたが、最も留意するのは双方の条件のすり合わせであり、契約書の内容の詳細な確認です。それにより、現在まで大きなトラブルに発展することなく、無事にホテル経営がされています。
日本にも増えてきた、マネジメント・コントラクト方式
近年の日本では、主に外資系のホテルオペレーターが運営するマネジメント・コントラクト方式のホテルが数多くあります。
皆さんご存じのインターコンチネンタル、マリオット(シェラトンやウェスティンがある)、ハイアット等は、いずれも日本で多くのホテルを運営するホテルオペレーターです。
また、このような大手に限らずとも、探せば予想以上にマネジメント・コントラクト方式のホテルは多く運営されています。
今後ホテルに宿泊する際には、所有直営方式なのか、マネジメント・コントラクト方式なのかに留意してみると、意外な面白さがあるかもしれません。
佐山 洸二郎
弁護士法人横浜パートナー法律事務所
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