(※画像はイメージです/PIXTA)

灘中学に上位5番で合格した和田秀樹氏は勉強の手を緩め、1年半遊んで暮らし、気づけば「落ちこぼれ」になっていたという。授業を理解しようとするのはあきらめ、中1の教科書に戻って独学でやり直すことにしたという。灘中の落ちこぼれが「逆転合格」した勉強法とは。※本連載は、和田秀樹氏の著書『公立・私立中堅校から東大に入る本』(大和書房、2019年2月刊)より一部を抜粋・再編集したものです。

中1の教科書に戻って独学でやり直した

■灘中で落ちこぼれ、私が「逆転合格」できた理由

 

中高6年間で東大合格を目指すには、手を抜かずに(ただし、多少の時間的余裕をもって)計画的に勉強を続ける必要があります。その重要性をお伝えするために、あえて私自身の落ちこぼれ体験を振り返ってみたいと思います。

 

私は灘中の受験に合格し、中高の6年間を灘校で過ごしました。中学受験のために通っていた塾では、先生から「灘に合格できれば、ところてん式に東大に入れる。灘中に入るための受験勉強は大変だろうけど、これを乗り越えれば後がラクになると思ってがんばりなさい」という話を繰り返し聞かされました。

 

この話を真に受け、上位5番という成績で灘中に合格したこともあって、私は、勉強の手を緩めてしまいました。親も、灘中に合格したことで安堵したのか、勉強については何も言わなくなり、結局1年半ほど遊んで暮らす日々が続きました。

 

灘中に上位5番で合格した和田氏は気づけば「落ちこぼれ」ていたという。(※写真はイメージです/PIXTA)
灘中に上位5番で合格した和田氏は気づけば「落ちこぼれ」ていたという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

その間、成績は急降下し、気がつけば立派な「落ちこぼれ」の仲間入りをしてしまったというわけです。

 

後から知ったことですが、このときに逆に成績トップクラスに入った同級生たちは、灘中に合格してからも、せっせと勉強に励んでいました。灘のような進学校には、医師や弁護士など高学歴を持つ親が多く、こうした親たちは東大受験の厳しさを身をもって体験しています。

 

「灘中に合格すればところてん式に東大に合格できる」などとはみじんも考えず、中3までの勉強を終える中1こそが勝負と考えて、子どもたちに熱心に勉強させていたのです。

 

私の父親は関西の私大を卒業、母親は高卒という学歴でしたから、難関大学受験がどんな世界なのかを知りません。中学受験塾の先生と同じように、灘中にさえ合格すれば東大に行けると信じて疑っていないようでした。

 

中2になると、もうトップクラスの同級生との差は、あまりに大きなものになっていました。さすがに焦った私は、とにかく英語だけでもなんとかしようと考えました。アメリカ人なら子どもでも話している英語、勉強すればなんとかなりそうだと思えたからです。

 

とはいえ、授業を真面目に聞いてもついていけません。灘では中2時点で中3のカリキュラムを終えていたのですから、当然です。そこで、授業を理解しようとするのはあきらめ、中1の教科書に戻って独学でやり直すことにしました。

 

毎日英語に注力していれば、自己流でもそれなりに実力がついてきます。ラジオの基礎英語を聴き、教科書の英文を辞書を引きながら訳していくという単純な勉強法でしたが、中3の中ごろになると授業にやっと追いつけたという感覚がありました。

 

そうなると嬉しい気持ちになり、高1になるころには英語は得意科目として自信が持てるようになっていました。もし、あのとき私が独学を選ばず、塾に頼って実力を伸ばそうとしたら、おそらく失敗していたのではないかと思います。

 

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公立・私立中堅校から東大に入る本

公立・私立中堅校から東大に入る本

和田 秀樹

大和書房

教育書を多数執筆し、多くがベストセラーになっている実績をもつ和田秀樹氏の渾身の書。 2020年の入試改革への備えにもふれ、具体的なノウハウを数多く入れた。 いわゆる「地頭のいい子」でなくとも、東大を目指せる、合…

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