コロナ禍で深刻化…国の対応は
とはいえ、新型コロナが住宅ローンに与えた打撃は大きく、一部で「10人に1人が家を失う可能性がある」とショッキングな報道がなされるなど、いまや住宅ローン破綻は解決すべき喫緊の問題となっています。
住宅ローンの支払いが滞れば、いずれ競売にかけられ自宅を失うことになります。蓄えがなければ路頭に迷う危険性もあります。
こうした最悪のシナリオを回避するため、国は、住宅ローン返済に困窮する人たちがローンの支払いを継続できるよう、各金融機関に対し、住宅ローンの返済期間を延ばすなど返済条件の変更に柔軟に対応するよう強く指導しています。これを受けて各金融機関では、返済条件の変更に応じるとともに、条件変更時の手数料を無料にするなどの措置を実施しています。
返済条件の変更には、①従来の返済期間を延長して毎月の支払額を減らす「期間延長」と、②一定期間元金の支払いはせずに利息のみを支払う「返済猶予」があり、これによって、コロナ禍の緊急事態下で、無理のない返済を継続できるようにするものです。
もともと返済条件の変更は、金融業界ではリスケジュールを略して「リスケ」と呼ばれていました。リスケには、住宅ローンの審査と同等の審査があるため、認められない、拒否されたなどの声も聞かれましたが、コロナ禍ではよほどのことがない限り、「リスケ=返済条件の変更」は認められているようです。