「米国リート」をポートフォリオに加えることも検討
ポートフォリオの構築においては、国内の「Jリート」に加えて海外の「米国リート」などにも注目したい。ここでは、米国のリートのなかで多様な種類を持つ「住宅リート」を簡単に紹介する。
◆戸建て住宅リート
戸建て住宅リートは、賃貸用の戸建て住宅の保有・管理を行う。
【主な銘柄】インビテーション・ホームズ(INVH)
◆集合住宅リート
集合住宅リートは、アパートやマンションのような1棟の建物のなかに複数の世帯が入居している住宅の保有・管理を行う。堅調な住宅価格や新型コロナによる郊外物件の需要の拡大が賃貸住宅リートの収益につながろう。
【主な銘柄】アバロンベイ・コミュニティーズ(AVB)、エクイティ・レジデンシャル(EQR)
◆簡易型住宅リート
簡易型住宅リートは、工場で組み立てたユニットを活用し、現場で建てられた住宅のコミュニティを保有・運営する。たとえば、①プールやジムなどの共有施設を持つ集合住宅地である「MHコミュニティ」や、②オートキャンプ場のような施設である 「RVコミュニティ」の保有・管理を行う。
住宅の建物を居住者が事前に購入し、リートに対して月々の借地料、プールやフィットネスセンターなど付帯設備の利用料を支払う点が特徴的だ。簡易住宅の居住者の多くは55歳以上であり、引退後に利用料の支払い負担が軽く、リゾート気分を味わえるとしてニーズが高い。
【主な銘柄】サン・コミュニティーズ(SUI)、エクイティ・ライフスタイル・プロパティーズ(ELS)
◆学生寮リート
学生寮リートは、学生向けの住居を手掛けるリートである。
【主な銘柄】アメリカン・キャンパス・コミュニティーズ(ACC)
その他に、比較的自立性の高い高齢者向けの賃貸住宅(自立型シニア住宅)と軽度の介護を要する高齢者向け賃貸住宅(支援型シニア住宅)が含まれる「シニア住宅」などもあるが、通常「ヘルスケアリート」として捉えられている。
株式と比較した好利回りやインフレヘッジに加え、米国の住宅市場の中長期の成長性を享受したいと考える場合には、このような米国住宅リートへの分散投資も一案となろう。
中村 貴司
東海東京調査センター
投資戦略部 シニアストラテジスト(オルタナティブ投資戦略担当)
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