それぞれの「事業計画書の要素」の関係性は?
事業計画書の要素とその関係が示されたフレームワーク(枠組み)をご紹介します。
「ビジョン・戦略立案フレームワーク」と呼びますが、ビジョン設定や戦略立案、そして中期経営計画策定等に広く応用することができます。会社・組織全体に当てはめることもできますし、事業別に当てはめることもでき、汎用性があります。このフレームワークは、大きく分けて四つのパートからなっています【図表】。
【図表】の左上がビジネス環境分析パート、こちらは上が外部事業環境分析、下が内部、すなわち自社経営資源分析となっています。分析(Analysis)が中心なので、Aパートと呼びます。
右上がビジョン設定パート、こちらは上から理念、経営(事業)ビジョン、事業領域、経営(事業)目標となっています。ビジョン(Vision)や目標を設定するパートなので、Vパートと呼びます。
真ん中の上から下にかけての部分が戦略策定パートで、上から目標と現状とのギャップ、基本戦略、事業戦略、機能別戦略、組織戦略という構成です。戦略(Strategy)立案がメインなので、Sパートと呼びます。
「基本戦略」と「その他の戦略」の関係性は?
ここで、基本戦略とその他の戦略との関係をお話しておきます。基本戦略は、この事業計画書の対象となっている組織・法人全体を対象とした戦略のことで、企業グループを対象としていれば、その企業グループの戦略となります。
もしその組織が複数の事業から成り立っている場合、その事業ごとの戦略を事業戦略といいます。そして、例えばメーカーの場合は、開発や生産、営業、管理といった機能部門があります。その機能部門別の戦略を機能別戦略といいます。
そして、会社・法人をどのような組織に分けて運営するか、どのような組織運営を行って行くかということが組織戦略となります。
そして一番下が、活動・計数計画具体化パートで、戦略課題と解決策、活動計画、計数計画、KPIとなっています。KPIというのは、Key Performance Indicatorの略で、重要業績評価指標と呼びます。利益率や原価率等の財務指標だけでなく、顧客満足度やレスポンスタイム等の非財務指標も含みます。
それぞれに番号が振られ、合計で15の要素に別れていて、さらにその下にサブ要素が来る場合もありますので、迷子にならないように、外部事業環境分析であればA1、経営目標であればV4のように記号が振ってありますので、このフレームワークの中のどこの話をしているかは、この記号で確認してください。
<ポイント>
事業計画書の要素はビジョン・戦略立案フレームワークで確認する
井口 嘉則
株式会社ユニバーサル・ワイ・ネット 代表取締役
オフィス井口 代表