(※写真はイメージです/PIXTA)

子どもに「なぜ勉強しなきゃいけないの?」と言われて、言葉に詰まった経験はありませんか。受験生から「キムタツ」の愛称で親しまれる筆者は、かつて英語教諭として灘校や西大和学園に勤め、500人以上の教え子を東大に合格させました。そんな筆者は、子どもに勉強する理由を聞かれたら「絶好の機会」であると語ります。筆者なら、どう応えるのでしょうか。※本連載は、木村達哉氏の著書『「東大に入る子」が実践する勉強の真実』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集したものです。

「なぜ…」と聞かれたら、理由を考える絶好のチャンス

勉強の理由は人によって異なるのは言うまでもありません。私が絵を勉強しているのは絵本作家として世界中の子どもたちに絵本を届け、気楽に生きていっていいんだよということを伝えたいからです。

 

多くの日本人が英語の勉強をしておられるのはなぜなんでしょう。なかにはキャビンアテンダントとして活躍したいからという人もいれば、科学者として論文を書く日のためにひたすら語句を覚えているという理系の生徒もいるはずです。

 

人によって勉強の理由は異なります。むしろ、子どもたちはその理由を自分で見つけることが大切なのですね。それが見つかり、そしてその回答が東大にあるならば、目指す姿勢が顕著になります。

 

「なぜ勉強しないといけないの?」と聞かれたときに、子どもと向き合ってしっかり話してみてほしいのです。たいてい、子どもが勉強したくないときに、抗議のごとく発せられる言葉なので、親御さんもムッとして「そんなこと言っていないで勉強しなさい」と言ってしまいたくなるかもしれませんね。でも、それは子どもが勉強の意味を知る、理由を考える絶好の機会なのです。

 

「お父さんはこう思う」「お母さんはこう思う」と話してみましょう。もちろん答えなどありません。親の考えを伝えたうえで、子どもが自分の人生をどう送るのか、そしてそのためにはどういう勉強が必要なのかを考えることになるのです。勉強の理由を理解したうえでないと勉強には身が入らないものです。だからお子さんから勉強の理由を尋ねる質問を投げかけられたら、それは絶好の機会なのですね。

 

ちなみに私はまったく勉強をしていなかった子どもでしたが、少しだけ変わったきっかけは中学3年生のときの担任の先生との出会いでした。その先生と出会っていなかったら、おそらく私は今の人生を送っていないはずです。先生は「君の書く文章は非常に面白い。たぶん僕なんかよりずっと書くのがうまい。将来は文章を書いて生きていけば、君はきっと成功するよ。作家でも新聞記者でもなんでもいい。文章を書いて生きていきなさい」と言ってくれました。

 

とはいえ、「はい、わかりました」と素直に受け入れるほど、子どもは純粋ではありません。「はぁ、そうですか」というようなリアクションでした。しかし、嬉しかった。嬉しかったので、文章に関して勉強をするようになりました。自分が師匠と決めた作家、遠藤周作(えんどうしゅうさく)さんの本を読み漁(あさ)りました。古文もしっかり勉強しました。英語もしゃべれたら格好いいな、ノーベル文学賞を受賞したときに英語で話せないといけないかもなと思って勉強しました。

 

私の勉強の理由は「作家になるため」でした。今もこうして原稿に向かっている時間を幸せに感じています。

 

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灘校と西大和学園で教え子500人以上を東大合格させたキムタツの「東大に入る子」が実践する勉強の真実

灘校と西大和学園で教え子500人以上を東大合格させたキムタツの「東大に入る子」が実践する勉強の真実

木村 達哉

KADOKAWA

30年を超える指導経験で分かった、東大合格者を出す家庭の共通点とは? 勉強の意味を知り、正しい勉強のやり方を知っていれば、どんな子でも東大は合格できる! 難関大学合格のために欠かせない「勉強体質」を家庭でいか…

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