(※写真はイメージです/PIXTA)

本連載は、東海東京調査センターの中村貴司シニアストラテジスト(オルタナティブ投資戦略担当)への取材レポートです。今回は、マーケットが平時から有事に変わる「異常検知」を捉えて、ヘッジファンドへの投資リスクを管理する方法について見ていきます。

市場が平時から有事に変わる「異常検知」を捉える

VaRやESでは計測期間における「損失発生件数」や「発生額」に注目が集まるが、実務上はテールリスクがどのようなタイミングで発生するかの時間依存・確率変動にも注目することが重要である。

 

わかりやすく言うと、マーケットが平時から有事へ変わりつつある状態を「異常検知」としていかにして捉えるかが重要ということになる。

 

なぜなら、金融危機などボラティリティが下方に高まる局面では、各資産間での相関が過去の平均データと比較して異常に高まる傾向が生じたり、クレジットスプレッドが一段と拡大することも多く、ヘッジファンド戦略に負のリターンがもたらされやすいとの分析結果があるからだ。

 

レラティブバリュー戦略※1は平均回帰戦略※2や流動性リスクをとっている分、金融危機時に負の歪度や大きな尖度が生じやすいとの学術研究もあるほどだ(流動性が乏しい分、ミスプライシングにより割安に取得できるとの見方からリスクテイクする)。

 

※1:割高と割安などの相対価値を見極め、ロングとショートを組み合わせることによって生ずる価格差で収益を上げる投資戦略

※2:市場はいずれ適正価格・本質的価値に戻るとの考え方がベース

 

そのため、レラティブバリュー戦略をとるヘッジファンドに投資しようとする場合は、クレジットスプレッドのワイド化の兆候に加え、各資産の相関が時間の経過ととともに高まる場面や相互相関(タイムラグを考慮した相関)が予想される局面の「異常検知」をいかに捉え、リスク管理につなげていくのかをデューデリジェンス(調査)でしっかり見極めることが重要であろう。

 

中村 貴司

東海東京調査センター

投資戦略部 シニアストラテジスト(オルタナティブ投資戦略担当)

 

\投資対象は株式、債券だけではない!/ 金融資産1億円以上の方向け
「本来あるべきオルタナティブ投資」 >>他、資産運用セミナー多数開催!

 

カメハメハ倶楽部セミナー・イベント

 

【12/9開催】
「資産は借りて増やせ!」
3年間で延べ1,500社以上を担当した元銀行トップセールス社長が語る
“新規事業×融資活用”で資産を増やすレバレッジ経営戦略

 

【12/11開催】
企業オーナー・医療法人のための
事業と個人の安心を守る「グローバル資産戦略」
〜実例で学ぶ 経営資産の防衛と承継設計〜

 

【12/13-14開催】
不動産オーナーのための「法人化戦略」
賢いタックスプランニングで“キャッシュを最大化する”方法

 

 

このレポートは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断の最終決定は、お客様自身の判断でなさるようお願いいたします。このレポートは、信頼できると考えられる情報に基づいて作成されていますが、東海東京調査センターおよび東海東京証券は、その正確性及び完全性に関して責任を負うものではありません。なお、このレポートに記載された意見は、作成日における判断です。

カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録