「家賃滞納は普通の人が堕ちる破滅への入り口である。」……2500件以上の家賃滞納トラブルを解決してきた、OAG司法書士法人代表の太田垣章子氏。同氏は書籍『家賃滞納という貧困』(ポプラ社)のなかで、「家賃保証の落とし穴」について語っている。

「家賃は月収の3分の1」という、恐ろしい勘違い

家賃は月収の3分の1が相応と言われていたのは、もう過去の話です。今の世の中、理想は4分の1以下にまで抑えなければ、大きなリスクを背負いかねません。

 

外出先で喉が渇けば、コンビニや自販機で飲み物を買えばいい。忙しくて夕飯が作れない時は冷凍食品や惣菜を買えばいい。そんな便利さに私たちはすっかり慣れてしまいましたが、水筒を持って出かけたり、自炊をするより、明らかに費用はかさみます。

 

また、スマホや携帯代金の支払いなど、かつてはなかった必要経費も生まれました。近年の夏の酷暑には、エアコンをつけなければとてもではありませんが太刀打ちできません。だから、当然、電気代も上がります。

 

挙げだしたらキリがありませんが、私たちの生活は以前より、確実にお金がかかるスタイルに変化しているのです。

 

その状態で月収の3分の1に上る家賃を支払うとなれば、傍から見れば豊かに見えても、生活はカツカツになって当然です。貯金をする余裕など残されていません。蓄えがなければ、何かの拍子に家賃が払えない月が出てきても何ら不思議ではありません。そういう人たちにとって家賃滞納とは、毎月直面するリアルなリスクなのです。

 

 

太田垣 章子

OAG司法書士法人代表 司法書士

 

 

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家賃滞納という貧困

家賃滞納という貧困

太田垣 章子

ポプラ社

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