税務署にはいくつかの部門がありますが、なかでも「資産課税部門」は、実は富裕層にとって馴染みが深いところ。相続税の税務調査を担当するのは、この部門の人たちです。今回は税務署の資産課税部門が取り扱っている税目や、所属する職員について説明していきます。

構成割合はたった1割!資産課税部門は少数精鋭部隊

税務署の中で資産課税部門が占める割合は、1割程度しかありません。また小規模の税務署については、資産課税部門自体が存在せず、個人課税部門が資産税担当として職務に従事しています。

 

【税務署の部門構成割合】

・法人課税部門 → 35%

・管理運営部門 → 25%

・個人課税部門 → 20%

・徴収部門 → 10%

・資産課税部門 → 10%

※税務署によって各部門の人員構成割合は異なります。

 

■資産課税部門は税務署職員の志願倍率が高いエリート

税務署職員の配置部署は、本人の希望を参考に決定します。一番人気が高い部門は、税務署の花形である法人課税部門です。

 

一方、資産課税部門は部門が小さいので競争倍率が高く、配属が決まる職員の多くは第一希望がほとんどです。

 

■税目が特殊で他部門と一線を画している

資産課税部門が担当する相続税・贈与税・譲渡所得は、税務署の他部門からは敬遠されています。

 

法人課税部門の職員が法人調査をする場合、法人代表者の課税状況について把握するために、所得税の申告を確認することはあります。しかし、法人が相続税を支払うことは原則ありませんし、贈与税も個人同士が対象となりますので、法人課税部門の職員が相続税や贈与税を調べることはほとんどありません。

 

したがって、資産課税部門の担当する税目の知識を有する職員は限られており、税務署内でも一目置かれる部署となっています。

資産課税部門の税務調査は時間をかけてじっくり調べる

富裕層にとっては怖い存在!?(※画像はイメージです/PIXTA)
富裕層にとっては怖い存在!?(※画像はイメージです/PIXTA)

 

税務調査は、誰でも対象になる可能性があります。何も悪い事をしていないのに、税務調査が入るのは気分がよくありません。

 

しかし、資産課税部門の場合には、入念に調査をしなければならない理由があります。

 

■相続税はその人から税金を回収する最後の砦

人が人生で最後に支払う税金は、相続税です。相続税は、亡くなった人のすべての財産を合計して申告をします。

 

生前中に脱税をしていても、脱税したお金を貯金していれば最後は相続財産として税金を納めることになります。

 

つまり、税務署にとって相続税とは、今まで取り逃してきた税金を回収する最後の砦です。そのため、資産課税部門の職員はどんな些細な事でも入念に調査し、相続税の課税漏れがないようにします。

 

■毎年申告しない税金の知識は資産課税部門には勝てない

個人事業主の人や法人経営者であれば、毎年確定申告を行います。確定申告の節税などは日々の生活に直結しますので、自然と税金知識を身に付ける人も少なくありません。

 

しかし、資産課税部門が担当する相続税・贈与税・譲渡所得は、生涯で申告する機会が無い可能性もある税金です。

 

また、相続税や贈与税は特例制度を利用することが非常に多く、所得税以上に専門性の高い税目となります。どんなに税金の勉強をしても、日々業務として税金に携わっている資産課税部門に知識量では劣ってしまうので、節税に失敗する人も少なくありません。

 

■税理士で苦手とする人が多いのが『相続税』

税理士は、税務署の管轄する税金はすべて請け負うことができますが、敬遠されがちなのが資産課税部門が担当する税目です。

特に相続税の納税額は、数百万・数千万円になることも珍しくないので、税務署から指摘を受けた際のペナルティの税金(加算税・延滞税)も高額になります。

 

相続税の知識がない税理士が申告書を作成した場合、申告の内容誤りや適正な節税ができていないことも考えられます。そうなれば、税務調査を受ける可能性は上がりますので、税理士選びは相続税知識の豊富な税理士に依頼することがリスク回避となります。

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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