「5年で上場」…ツイッターに書き込んだ、今後の目標
CIEL:筆者たちが立ち上げた美容室サロン。大阪、天六に第一号店、難波に第二号店をオープン。
筆者:証券会社でディーラーとして勤務後、営業部へ転属。成績を残すが、顧客の意に沿わない商品を販売するのが心苦しく、その後個人トレーダーとして独立。ひょんな縁から美容業界へと飛び込むことに。
田中さん:筆者を美容業界へといざなったキーマン。
2018年1月。僕はツイッターに今後の目標を書き込んだ。
「2018年に合計13店舗。2019年で23店舗、2020年で33店舗、2021年で43店舗、2022年で53店舗。目標は5年で上場」
2017年は、フランチャイズ展開の仕組み、僕自身の投資家としての知名度や人脈を利用した開業のための資金調達の仕組み:匿名組合契約を作り上げた。店舗数が増えることで、薬剤ディーラーの立ち上げによる薬剤コストカットの効果も大きくなっていった。
そしてSNSを利用して美容室CIELの情報を発信し続けることで知名度も上昇し、求人もかかるようになってきた。美容室検索サイトのネット予約売上ランキングではどの店舗もその地域で常に上位に入っており、新たに開店する店舗でも開店するその月から新規のお客様で予約がいっぱいになった。SNSの効果でCIELは美容師さんからも、お客様からも信頼を得るようになっていった。
このやり方で、やっていける! 自分の作戦は正しいとずっと僕は信じていたが、ここへきてやっと、それを実感することができるようになった。
5年後の上場に向けてこれからは全国に店舗を展開していく。がむしゃらに頑張る!
そう決心して、その決心のとおりに、この年は本当に頑張った。
出店計画が広がり、息をつく暇もない忙しさに
1日でも早く売り上げを上げるため、店舗は契約の2ヵ月後にはオープンする。契約から1ヵ月間は家賃が発生しないフリーレントにしてもらい、できるだけこの間に内装を済ませてしまう。当然2ヵ月ではスタッフも全て揃わないので、開店時まだスタッフは3、4人。開店した後も採用のための面接が続く。
新店舗開店のための資金調達と契約、物件探しと契約、内装の決定と業者との打ち合わせ、美容室検索サイトとの契約、スタッフの募集と採用面接。オープン時の立ち会いと教育。さらに追加の採用面接。これらを僕はほぼ一人でやっていた。
出資者との契約から始まってスタッフを揃えるまで、1店舗開店するための準備作業は3ヵ月以上に及ぶが、平均して1.5ヵ月に1店舗のペースで開店していくと、それぞれの開店準備作業が重なっていく。特にこの年の4月頃は息をつく暇もないような忙しさになっていた。
出店計画が関西以外にも広がったことで全国を飛び回る頻度も増えた。その都度関係者と打ち合わせしてその後会食。ついでにその近辺の投資家仲間とも酒を飲む。大阪にいる時には毎日天六の珈琲店の一番奥の席に朝9時から夜10時半の閉店まで居座って、事務作業、採用面接、業者との打ち合わせなどをこなす。珈琲店のコーヒーチケットをどっさり買い込み、1日で8枚綴りのチケットを全て使い切る、そんな日々がずっと続いていた。
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