長期投資家が実践…「許容リスク」に応じたポートフォリオ構築 (※写真はイメージです/PIXTA)

大学や財団などの長期投資家は、許容リスクの範囲内でトータル・リターンを最大化させるため、様々な分析・シミュレーションを行い「最適なポートフォリオの構築」を目指しています。今回は投資における「リスク」の考え方とともに、長期投資家が実践しているいくつかのポートフォリオ構築手法を見ていきます。
※本連載は、川原淳次氏の著書『大学・財団のための ミッション・ドリブン・インベストメント』(東洋経済新報社)より一部を抜粋・再編集したものです。

リターンとリスクのトレードオフ

現代投資理論では、リスクが低ければリターンも低く、より高いリターンを求めるためにはより高いリスクを許容しなければならないと考えます。投資の世界においしい話はありません。しかし、より効率的な運用(目標リターンをできるかぎり低リスクで獲得する運用)は可能です。

 

ここで言うリターンとはトータル・リターンのことであり、インカム・リターンとキャピタル・リターンの合計です。インカムが高いということはキャピタル部分に関わるリスクが高い可能性があります)。

 

では、リスクとは何でしょうか? リスクの定義には色々ありますが、最もよく使われているのがリターンのブレ(標準偏差)です。

 

国内債券に投資した場合と世界株式に投資した場合を比較してその累積リターンを見ると、国内債券が安定的に成長しているのに対して、世界株式は最終的なリターンは高いのですが、そこに至るまでには大きくブレが生じています。

 

月次リターンの度数分布を見ると、その分布は明らかに異なります。国内債券のブレ幅に対して、世界株式のブレ幅は倍以上に大きくなっています[図表1]。

 

[図表1]

 

度数分布の山が高いところが平均値で、リスクはリターンのブレ幅として、リターンの標準偏差が用いられています。

 

リスクとは期待されるリターンの将来における不確実性であり、リターンの度数分布が正規分布と呼ばれるベル型になることを前提に、平均値±1標準偏差に収まる確率が約68%であることを示しています。2標準では約95%の確率です。標準偏差はギリシャ文字で、シグマ(σ)とも呼ばれます。

 

リスクの定義は他にもあります。損失を避けたい、もし損失がでたらどれくらいになるのかといった下振れ(ダウンサイド)リスクを見ることもあります。

 

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野村アセットマネジメント株式会社 マルチアセット&ソリューションズ担当CIO

1988年東京農工大学大学院工学研究科修士課程修了。同年野村総合研究所入社。米国NRITI出向を経て、1997年野村證券金融経済研究所の主任研究員兼年金・大学向け運用コンサルタント。
2005~09年野村ファンド・リサーチ・アンド・テクノロジー・アメリカ社長兼CEO/CIOとしてヘッジファンド、リアルアセット、プライベート・エクイティのオルタナティブ投資ゲートキーパー。
2011年、ブラックロック・ジャパンを経て、2015年9月より野村アセットマネジメントソリューション担当Co-CIO、2018年4月より現職。

著者紹介

連載国内大手運用会社のCIOが教える、大学・財団における資産運用の「考え方の軸」

大学・財団のための ミッション・ドリブン・インベストメント

大学・財団のための ミッション・ドリブン・インベストメント

川原 淳次

東洋経済新報社

大学には学生の教育や社会経済貢献のための研究、財団には慈善事業のためになどの組織によって様々なミッションがある。そのミッションは長期的、恒久的に実現するものであり、そのためには財政的に支援する資産運用の長期的視…

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