年収400万円の26歳男性が「家賃滞納」…「怖くなっちゃって。」どうしようもならない状況に、83歳の高齢大家は司法書士へ助けを求めた

年収400万円の26歳男性が「家賃滞納」…「怖くなっちゃって。」どうしようもならない状況に、83歳の高齢大家は司法書士へ助けを求めた

コロナ感染拡大の影響によって雇止めにあい、家賃が払えなくなってしまった事例が相次いでいます。※本記事では、OAG司法書士法人代表の太田垣章子氏の書籍『不動産大異変:「在宅時代」の住まいと生き方』(ポプラ社)から一部を抜粋・編集し、実際のトラブル事例を紹介していきます。

お金がないのに実家に戻ることができない理由

四国の実家は小さな土産物店を営んでいますが、観光客が激減して大打撃を受けているために頼れるどころではありません。いったん実家に戻れば、少なくとも住宅にかかる費用はかかりません。それでも西山くんは戻れないと言います。

 

「僕の実家、そんなに大きくないんですよ。しかも姉が離婚して子ども連れて実家に戻ったから、僕の戻れるスペースなんてなくて」

 

実家を頼るどころか、むしろ実家から援助を求められている西山くん。まだ26歳だと言うのに、この現状を親に伝えることすらできていません。落ち込んだ気持ちは、メディアの情報を完全にシャットアウトすることで、少しずつ回復はしてきたようです。でもまだ求職活動するまでには至っていません。

 

「家賃払ってなくてすみません」

 

西山くんは何度も繰り返し頭を下げます。26歳と言えば、大変なときには、まだまだ親を頼りたい年頃です。自立していたとしても、ほんの僅かな躓(つまず)きに耐えられる経済的基盤もないでしょう。

 

しかしバブル崩壊後、日本経済は低迷を続けてきたので、大人世代も同じかもしれません。リーマンショックの時は、一部の上層界の人がダメージを受けたので、一般人はそれほど生活が変わることはありませんでした。今回の新型コロナウイルスは、大半が何がしかの打撃を受けています。

 

観光業や飲食業だけでなく、いろいろな業種にもじわりじわりダメージを与え続けています。どの業界も安心していられる訳ではありません。このまま家賃を払わない状態で明け渡しの訴訟手続きに入れば、遅かれ早かれ西山くんは住む場所を失います。

 

住む場所を失ってしまうと、履歴書に住所を書くことができず求職活動もできません。現在仕事を探そうとしている西山くんからすると、とても大きなダメージです。何とかこのことだけは避けたいと思いました。

 

「佐知子さんも家賃が入らなければ、生活が厳しくなるからさ。このまま物件を持ち続けるかは分からなくなるよ。家賃を正常に払えるようにするか、誰かのところに避難するか、ちょっと検討してみて」

 

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不動産大異変:「在宅時代」の住まいと生き方

不動産大異変:「在宅時代」の住まいと生き方

太田垣 章子

ポプラ社

著者は、20年にわたり2500件以上の不動産トラブルを扱ってきた異色の司法書士。 業界紙・業界誌などでの連載や「家賃滞納という貧困」「老後に住める家がない!」などの著作を通じて(ともにポプラ新書)、業界では知らない人…

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