どんなリスクが潜んでいるかわからない「家と土地」。髙橋土地家屋調査士事務所代表・髙橋輝氏の著書『買ってはいけない家と土地』(自由国民社)より一部を抜粋・編集し、マンションを購入する際、注意すべきポイントについて紹介していきます。

「大規模マンション」購入前に知っておきたいこと

【大規模マンション】

 

大規模マンションは総戸数が多いので、かなり豪華な共用施設が存在します。そして、管理員の勤務形態が常駐の場合も多く、セキュリティ面でも優れています。共用施設については、無駄なものが付いていると管理費の負担が大きくなるので、その共用施設が欲しいか否かで判断が分かれるところです。

 

(写真はイメージです/PIXTA)
(写真はイメージです/PIXTA)

 

また、区分所有者同士の付き合いも希薄になりがちです。また、大規模マンションを建てるには広大な土地が必要であることから、駅前などにあることは少なく、利便性は小規模・中規模マンションと比較すると悪い傾向にあります。

 

・共用施設は、使わなくても毎月管理費用が…

 

どの規模のマンションを選ぶかは購入者の自由ですが、自分にとってどのような共用設備が必要なのか、不要な施設は何か考えて選ぶことは大切だと思います。

 

個人的な意見ですが、あまりにも過剰な設備は不要と思います。マンション内にフィットネスルームやシアタールーム、ゲストルームがあるのは、購入時には好印象でしょう。

 

しかし、フィットネスルームについては、購入前から継続して何年もフィットネスクラブなどに通っている方にとってはよいと思いますが、マンション購入を機に体を鍛えようなどと考えた人は、ほとんどが長続きしません。

 

たまに利用するだけなら、共用施設ではなく、むしろ近所のフィットネスクラブに通った方が安上がりかもしれません。シアタールームにしても、一般家庭で頻繁に利用するとは考えづらいものです。

 

映画でしたら、最近はショッピングモールなどでも見られますし、女性ならレディースデイなどを利用すれば映画館でかなり安く鑑賞することができます。ゲストルームについても、そんなにゲストが来る頻度があるのかよく考えましょう。

 

また、利用したい時期が他の区分所有者と重なることが多く、借りたい時に利用できないという声も聞きます。年末年始の休暇やお盆休みの時期などは混み合うようです。

 

かなりの頻度で利用したい共用施設があるならそれが付いているマンションをお勧めしますが、利用しない共用施設でも、付いていればその施設の管理費用は毎月の管理費から充当されるということを頭に入れて、マンションを選ぶようにしましょう。

 

 

髙橋 輝

髙橋土地家屋調査士事務所代表

 

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買ってはいけない家と土地

買ってはいけない家と土地

髙橋 輝

自由国民社

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