「飽きてきた」が成功要因?美容院経営のB氏
B氏は私よりも若い起業家です。旅行とアートが好きで、高校を卒業したあと、いわゆるバックパッカーとして世界中を旅して回りながら、現地のさまざまな伝統美術に触れたり、若いアーティストと交流したりしていたような人でした。
B氏はアート系のファッションも好きで、日本にいるときには渋谷や原宿のストリート系のブティックに足繁く通っていたのですが、アパレル、特に若いレディースの分野はとても流行の変化が激しくて、数カ月するとすぐにバーゲン品として売られているのを見て、それをかつて旅して回っていた東南アジアで売ることを思いつきました。
シーズンの変わり目に渋谷の109などを自分の足で回って、二束三文で売られているバーゲン品を買いまくって、それを東南アジアに持ち込んで、かつて交流があったアート友だちなどに安く譲ったところ、大好評でした。今から10年近く前の話なので、"ジャパンブランド"の威光が今よりも強かったこともあるでしょう。
「これはいける」と思ったB氏は、会社をつくり、現地のツテをたよって販売代理店と契約を結び本格的に輸出ビジネスを始めるようになりました。とはいえ、バーゲンで格安になった服を集めるというのは、なかなか手間がかかる割には利幅の薄い商売です。
個人の副業程度でやっているのならいいのでしょうが、ある程度以上の規模にスケールさせようと考えるなら、どうしても正規のルートで問屋から仕入れる必要が出てきます。だんだん面倒になってきたB氏は、アパレルブランドを運営していた友人に1000万円ほどで会社を売ってしまいました。
それから今度は東南アジアに行って、現地の友人と共同で日本風の美容院を開業しました。東南アジア諸国では、日本のような美容院チェーンが存在しなかったので、これもヒットして、数店舗を運営するようになりましたが、数年でB氏は「飽きてきた」と言って、自分の持分を現地の投資家に売却してしまいました。
そのときは日本円にして3000万円ほどのイグジットでした。日本に戻ってきたB氏は、次に民泊事業を始めました。
ちょうどインバウンドブームで、海外にいたとき、現地の人たちから「日本に行きたい、いい宿泊施設を紹介してほしい」と言われることが非常に多かった一方、日本の民泊施設はあまり海外の人に受ける要素がないと感じていたB氏は、その感性を活かしてアート的な要素をふんだんに採り入れた民泊施設をつくったのです。
狙いどおり、特にヨーロッパ系の旅行者に大受けして、ネットの口コミで評判となり、こちらも3店舗まで増やしたところで、大手の某ホテルチェーンから「出資したい」という話があり、現在は一部の株式を保有しながら、ホテルチェーンとの共同経営をしています。
実は、そのホテルチェーンでは、インバウンド向けのデザイナーズホテル運営の企画があり、B氏もその企画の中心メンバーとした参加する予定だったのですが、現在、コロナの影響で延期されてしまいました。
とはいえ、B氏はこれまでのイグジットや、ホテルチェーンに持ち株の一定部分を売却した資金があるため、特に焦ることもなく、多少のんびりしながら、コロナが落ち着いて再び動き出せる時を待っている状況です。
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