「決算内容が悪い会社」は社長の給料が高い?
M&Aの際に、会社の状況を客観的に評価するための重要資料が財務諸表、いわゆる決算書です。
損益計算書上で利益が多い、貸借対照表上で現金同等物や純資産の比率が高いなど、決算書の内容が優良な会社は、一般的にはM&Aにおける買い手の評価も高くなるといえます。
では、利益が少ない(場合によって赤字)、あるいは純資産が少ないといった会社はM&Aイグジット※を諦めなければならないかといえば、そんなことはありません。
※自己資金と労力を投じて会社を起ち上げた起業家が、M&Aでその会社(株式、または事業)を売却すること。
なぜなら、監査法人が入っていないような一般的な中堅・中小企業では、決算書の内容はある程度恣意的に操作することが可能だからです。操作というと聞こえは悪いですが、もちろん違法な脱税行為や粉飾という意味ではなく、合法的な範囲内での調整(いわゆる節税)のことです。
例えば、利益が出そうな期には社長の役員報酬額を多くするとか、短期で減価償却可能な設備投資をしたり、一部を損金計上できる役員保険に加入したりして利益額を圧縮しようとする、といったことは、ほとんどすべての会社が行っているといっても過言ではないでしょう。
あるいは、資産面でいえば、社長の家を社宅にしていたり、あまり必要性がないのに、社用車を持っていてほとんど社長しか使わなかったりということもあります。
さらには、社長が多額のお金を会社に貸し付けていて、返してもらうつもりもないので、実質的には資本金的な性格なのに、借入金として計上されたままになっているということもよくあります。
こういった、利益操作や、実態を表していない資産・負債の計上などがあるため、中小企業の決算書は本当の収益力を表さなくなっている場合が多いことも事実です。
そこで、決算書を精査して、実態的な収益力や純資産を表すように調整をします。
例えば1000万円の営業赤字になっている会社で、節税対策として社長の役員報酬を5000万円としているのなら、適正な役員報酬は3000万円だとして計算し直せば、実はこの会社は1000万円の営業黒字を出す収益力がある、といった具合です。このようにして計算し直した収益力は「正常収益力」と呼びます。
つまり、税務申告に用いている決算書の内容が悪くても、正常収益力が高ければ、M&Aにおける評価は高くなり、売れる可能性があるということです。
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