「大家さん業でもうかったおカネ」はつぎの物件に…
私は自分が所有している賃貸住宅は原則として売らないことにしている。その理由はまず、売る理由がないことだ。私にとって大家さん業は副業であり、生きていくのに必要なおカネは本業である工務店の社長としての給与で十分だ。
また大家さん業の受け皿としてつくった会社は、将来子どもたちへの財産分与を想定しているが、まだ子どもたちは幼く、いまのところ売却益を出さなければならない差し迫った事情はない。
したがって、もし売却する場合は、よほど条件のいい物件を買ってくれないかという話が持ち込まれて、いままで持っていた物件と入れ替えるような場合しか想定できないのだ。
わたしはこうした場合に売却益が出たとしても、それは自分のためにつかったり、家族のためにつかったりせず、そのとき自分が設定している目標を達成するためにつかうことを自分に科している。
ビーカーからあふれた水(利益)は、つぎのビーカーにもどしてやる。つまり大家さん業でもうかったカネは新しい次の物件につぎこむことが大事なのだ。
経費削減し「もうけのスピード」を上げてしまった場合
大家さん業の「もうけ」は、つぎの目標のために投資しろと述べた。もちろんそれも大切だが、その前に、自分の物件の維持管理に、おカネを惜しまないことが前提になる。
物件の維持管理の具体的なノウハウは、あとで詳しく述べるが、ここでは大家さんをやる上での心がまえとして述べておく。
ポイントはビーカーの中にたまる水(利益)の量を多くしようとあせらないことだ。さきほどから大家さん業をビーカーに水をためるイメージととらえているが、こういう話をすると「じゃ、水がたまる速度をあげればいい」と考える人が必ず出てくる。そうすればビーカーはすぐにいっぱいになり、つぎのビーカーに移れると。
そしてそれを実現するためにどうしたらいいかと考え、たどりつくのは経費の削減だ。業者に委託した清掃の回数を減らす。入居者が退出したあとのハウスクリーニングの費用も削る。そのほかすぐに「利益」を出そうとすれば、削れる経費はいろいろあるようにみえる。
しかし、「ウサギとカメ」の警句を思い起こしてほしい。あなたの賃貸住宅の維持管理の経費を削って、無理に利益をあげることが、ほんとうに目標達成の助けになるのか。
私はそうは思わない。利益が出たら物件の価値を上げるためにどんどん投資する。個別の物件だけでなく共用部分にも投資し、美観をたもち、入居希望者に思わず「この物件に住みたい」といわせるような物件に育てることが大切であり、同時にそれが大家さんの醍醐味なのだ。
そうすれば将来、必ずやってくる家賃の低下を少しでも食い止めることにつながる。歩みはカメのようにのろくても確実に目標達成につながるのだ。
毎月2000万円の収入でも「家賃で飯は食うな」の理由
繰り返しになるが、私は現在20棟の賃貸物件を所有しており、そこから毎月2000万円の家賃収入がある。そして毎月1800万円を越える額を銀行などの金融機関に返済している。残りのお金は私が所有する賃貸物件の維持管理や古くなった物件のリノベーションなどにつかっている。
もちろん物件ごとにみていけば、投資した分をすでに回収して利益をとりにいっている物件もあるし、まだ建てたばかりで金融機関への金利分も払えていないし募集などに経費のかかった物件もある。このように新旧の物件でお金の出入りのバランスをとりながら、トータルで若干の利益が出るようにしていくのが大家さんの腕の見せどころだ。
ただ私の場合、こうした利益は1円たりとも私的な生活には使っていない。私は大阪府の堺市で工務店を経営しており、自分の生活はすべて工務店からの給料でまかなっているのだ。
私にとって本業は「工務店のおやじ」であり、何十人もいる社員の生活を守っていくのが最優先である。「大家さん」は、どこまでいっても副業という位置付けである。ここは大家さんになりたいという人に、ぜひとも知っておいてほしい。
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