米国企業の特徴は、強い経営基盤&株主還元への積極性
米国市場が日本の市場と大きく違うところに、経営基盤が盤石な企業が多いところと株主還元に積極的な企業が多いことがあげられます。
これは、いわゆる「モノ言う株主」の存在感が強いという背景があります。モノ言う株主(アクティビスト)とは、株主としての権利を積極的に使い、会社経営に影響を及ぼそうとする投資家です※3。
※3 会社にいろいろな要求をして、配当を引き上げたり、株価を引き上げたりすることが目的です。かつて日本では、企業同士で株式の持ち合いをしたり、信託銀行や保険会社といった機関投資家が株を多数保有したりしていました。いわゆる経営に口出しをしない「モノ言わぬ株主」です。そのため会社経営は、どちらかといえば株主軽視になりがちでした。
最近では日本企業にも外資系の投資信託などモノ言う株主が経営革新を求めるようになり、言ってみれば「生ぬるい」経営は排除され、株主還元も手厚くなってきました。とはいえ米国企業はずいぶん先を行っています。
例えば日本の上場企業の配当は、年1回かせいぜい中間配当と期末配当の年2回ですが、アメリカ企業は年4回配当企業が多く占め、利回りも高めとなっています。
株主による「プレッシャー」は日本よりはるかに厳しい
また先ほどアメリカ企業は経営が盤石と言いましたが、これには一つ理由があります。
アメリカ人は「フェア精神」を重んじます。フェアではない経営に対しては、日本よりはるかに厳しい目で見られるのです。
企業統治において不正行為は厳しい罰則が設けられ、またチェック機能もより高度に働いています※4。
※4 日本では粉飾決算が発覚して、株価が大きく下落するといったケースが過去多数ありました。たとえばオリンパス(2011年)や東芝(2015年)といった有名かつ大企業でも発生し、そのたびに株価は大きく下落し、株主は大きな損失を押し付けられる結果となりました。
このため、日本にくらべて安心感はより高いといえるのです。
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