老後の生活は55歳からの準備にかかっています。ここで、大切な収入として確認しておきたいのが退職金。受け取り方によって、税金と社会保険料にって手取りが少なくなるため、注意が必要です。また、不動産や保険といった資産の洗い出しも要チェック。老後の資産計画の見直し方を学びます。※本連載は、長尾 義弘氏、中島 典子氏の共著『金持ち定年、貧乏定年』(実務教育出版)より一部を抜粋・再編集したものです。
預貯金、不動産、保険など…資産の洗い出しを
退職の際に受け取るものは、退職金だけとは限りません。
会社によっては、社内預金制度、社内積立金、財形貯蓄を行っています。公務員の場合は、共済預金などの制度もあります。
これらも、一度チェックしておきましょう。
退職時の受け取り方法も大事なポイントです。非課税になるのか。利子は退職金控除に入れられるのか。そういったさまざまな条件で手取り額も変わってきますので、確認しておきたいところです。
さて、老後資金にはもちろん資産も含まれています。
この機に資産の総ざらいをしましょう。
銀行や郵便局の口座に預けてある普通預金、定期預金は、残高を書き出します。
投資関係も総額をまとめます。国債や社債の金額や、株式や投資信託は現在の評価額を計算します。証券会社から年間取引報告書が送られてくるはずですので、その数字を参考にしてください。
また、不動産を持っている人は、売却すると仮定した場合の価格を割り出します。おおまかな数字でかまいません。ネットで検索しても、ある程度の参考価格はわかります。
一方、不動産を貸している場合は毎月の家賃収入になります。
意外に思うかもしれませんが、生命保険も資産の一部です。といっても、ここで資産と見なすのは、60歳以降にまとまった金額が確実に受け取れるタイプです。いわゆる、貯蓄型の保険を指します。
ですから、掛け捨ての医療保険のように「入ってはいるけれど、もらう機会があるかどうかわからない」ものは省きます。
終身保険などは、60歳以降の解約返戻金の額を書き入れます。個人年金保険であれば、受け取るであろう年金額を書いてください。
こうしてすべてを洗い出せば、自分の資産状況を把握することができます。これを元に今後の資産計画を立てればいいわけです。
長尾 義弘
ファイナンシャルプランナー
NEO企画
代表
ファイナンシャルプランナー、AFP、日本年金学会会員
徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。新聞・雑誌・Webなどで「お金」をテーマに幅広く執筆。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『お金に困らなくなる黄金の法則』『最新版保険はこの5つから選びなさい』『老後資金は貯めるな! 』(河出書房新社)。共著に『金持ち定年、貧乏定年』(実務教育出版)。監修には年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』『定年後の手続きガイド』など多数。
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連載金持ち定年、貧乏定年~55歳から始める「得する準備」
広尾麻布相続センター
中島典子税理士事務所 代表
税理士、社会保険労務士、CFP
起業家の創業から税務会計・資産形成・相続事業承継までのトータルサポート業務、FP関連書等の執筆、講演、子どもからシニアまでの金融経済教育で活動。
著書『会社が知っておきたい補助金・助成金の活用ガイド』(大蔵財務協会)、共著に『いまからはじめる相続対策』(日本実業出版社)、『FP技能士2級AFP 問題集&テキスト』(成美堂出版)などがある。
【中島典子税理士事務所 中島財産コンサルティング:http://tax-money.jp】
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