公的年金だけでは心配。老後資金を増やしたい。という方には「確定拠出年金」がおすすめです。3つの税制優遇というメリットがあり、専業主婦でも加入することができます。また、運用する商品をスイッチングできるため、株の先行きが怪しくなった場合にリスクを避けるこのも可能です。確定拠出年金について見ていきましょう。※本連載は、長尾義弘氏、中島典子氏の共著『金持ち定年、貧乏定年』(実務教育出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

3つの税制優遇がある「確定拠出年金」で老後資金確保

老後資金はできるだけ確保したいところです。ここでは増やし方を紹介しましょう。

 

「でも、投資なんてやったことがないし、リスクが高そうで不安」という人もいるかもしれません。

 

ご安心ください。そんなリスキーな手段はお勧めしません。

 

もちろんリスクがゼロとはいえないのですが、初心者でも効率的に増やせて、なおかつメリットも多い方法です。

 

確定拠出年金には企業型と個人型があり、企業型は掛け金を企業が負担し、運用の指示は個人が出す。企業年金制度がない会社に勤めていたり、自営業者は個人型になるという。(写真はイメージです/PIXTA)(写真はイメージです/PIXTA)
確定拠出年金には企業型と個人型があり、企業型は掛け金を企業が負担し、運用の指示は個人が出す。企業年金制度がない会社に勤めていたり、自営業者は個人型になるという。(写真はイメージです/PIXTA)(写真はイメージです/PIXTA)

 

「公的年金だけではちょっと心配。もう少しプラスアルファがほしい」

 

そんな人は「確定拠出年金」を利用してはいかがでしょうか。老後資金を増やすために有効な手段です。

 

確定拠出年金には、企業型と個人型があります。企業型は掛け金を企業が負担し、運用の指示は個人が出す形です。企業年金制度がない会社に勤めていたり、自営業者は個人型になります。2017年からは個人型の適用範囲が広がり、60歳以下なら誰でも加入できるようになりました。

 

確定拠出年金のメリットは、3つの税制優遇がある点です。

 

まず、掛け金は全額が控除の対象になります。所得税が10%であれば、住民税の10%と合わせて20%の税金が安くなるのです。

 

たとえば、毎月1万円ずつ、年間に12万円を拠出したとしましょう。この20%ですから、2万4000円の税金が戻ってきます。

 

いわば、年利20%で積み立てているのと同じ。大手銀行の定期預金金利が0.01%の時代に、これはかなりお得です。

 

次に、運用益が非課税になります。一般的に金融商品で得た利益に対しては、20.315%の源泉分離課税が引かれます。しかし、確定拠出年金で得た配当益や譲渡益は非課税です。さらに、受け取るときも税制の控除があります。一時金で受け取れば退職所得控除が、年金形式にする場合は公的年金控除が使えます。

 

とても有利な制度だと思いませんか。

 

ただし、通常の金融商品や預金とは違い、60歳まではお金を引き出すことができません。そもそもが年金を目的としたしくみであるため、これは当然の話なのです。

 

ここはデメリットと見えなくもありませんが、勝手に引き出せないからこそ確実に貯められるともいえます。

 

運用に関しては、自分で詳細を決められます。つまり運用は「自己責任」ということです。途中で運用商品の配分を変更したり、運用商品を変えたりすることが可能です。

 

しかも運用成績は、ネットで簡単に確認できるようになっています。確定拠出年金を利用するなら、最低でも1年に1回以上はチェックしてみてください。

 

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金持ち定年、貧乏定年

金持ち定年、貧乏定年

長尾 義弘
中島 典子

実務教育出版

サラリーマンであれば必ず訪れる人生の大イベント、定年。 手続きが煩雑な上、一歩間違えると大損することも! 失敗すれば、老後資金にもつながる大問題。会社の関連部署が教えてはくれますが、準備は本当に万端ですか?…

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