55歳になると定年が見えてきます。この時期に、老後の支出を洗い出しておきましょう。数字にして改めて眺めてみると、意外と無駄が多いことに気づくはず。最も大きな支出となりそうな「住居費と生命保険」についてスリム化する方法を紹介します。※本連載は、長尾義弘氏、中島典子氏の共著『金持ち定年、貧乏定年』(実務教育出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

定年後最大の支出になり得るのは「住居費と生命保険」

支出というと誰でもすぐに生活費を思い浮かべるでしょう。もちろん生活費の把握は大事です。しかしそれ以外にもネックとなるポイントがあります。

 

定年後、最も大きな支出になりそうな要素は、住居費と生命保険です。

 

最初は住宅ローンについて見ていきます。

 

定年前に住宅ローンの支払いが終わるならまったく問題ありませんが、定年後も続くケースは要注意です。収入が年金だけになった状態では返済の負担が思いのほか大きく、老後破綻の引き金にもなりかねません。

 

住宅ローンはいつ完済するのかを、まず確かめてください。また、定年時に残債がどの程度残っているのかも確認が必要です。

 

定年後も住宅ローンが残っている人は、退職金での完済も考えましょう。

残り1000万円、10年、金利差0.5%以上は借り換えを

もちろん定年を待たずに、いまから見直しをするのも有効な手です。

 

現在はマイナス金利の時代で、住宅ローンの金利もかなり低くなっています。金利が高いまま返済を続けているのであれば、借り換えたほうがいまよりもローンの返済額が少なくなる可能性があります。

 

定年後、最も大きな支出になりそうな要素は、住居費と生命保険だという。(※写真はイメージです/PIXTA)
定年後、最も大きな支出になりそうな要素は、住居費と生命保険だという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

ひとつの目安として、残債1000万円以上、残りの返済期間10年以上、現状との金利差0.5%以上なら、検討してみてください。

 

あるいは、いまの段階で資金に余裕があれば、繰上げ返済を考えてもいいと思います。

 

繰上げ返済には、月々の支払い額を減らす返済額軽減型と、返済期間を短くする期間短縮型の2種類があります。

 

どちらも効果はあるのですが、両者を比較すると期間短縮型のほうがメリットは大きいといえます。短縮された期間の利息を払わずにすむため、ローンの支払い総額が少なくなるのです。

 

定年までに住宅ローンを終わらせることができれば、退職金はまるまる老後資金に充てられます。

 

賃貸で更新料がある場合は、現在の1年分の家賃に更新料をプラスします。2年契約で更新料が1ヵ月分なら、1年間の家賃を12.5ヵ月として計算しましょう。

 

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金持ち定年、貧乏定年

金持ち定年、貧乏定年

長尾 義弘
中島 典子

実務教育出版

サラリーマンであれば必ず訪れる人生の大イベント、定年。 手続きが煩雑な上、一歩間違えると大損することも! 失敗すれば、老後資金にもつながる大問題。会社の関連部署が教えてはくれますが、準備は本当に万端ですか?…

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