コロナ感染拡大の影響により在宅時間が増えるなか、ゴミが捨てられなくなってしまう若者が問題になっています。※本記事では、OAG司法書士法人代表の太田垣章子氏の書籍『不動産大異変:「在宅時代」の住まいと生き方』(ポプラ社)から一部を抜粋・編集し、事例を紹介していきます。

ゴミ屋敷や自殺を防ぐために必要なことは?

中山さんとは、暫く定期的に部屋を訪問するという約束もしたので、「声をかけ続けます」と中山さんもコミュニケーションの大切さを実感したようです。

 

新型コロナウイルスは、人々の心を縮こまらせてしまいました。感染するんじゃないか、感染したらどうしよう、職を失ったらどうしよう、給与が減ったらどうなるんだろう、そう思うことでどうしても前が向けません。

 

だからこそ元気な人からの声掛けが必要なのです。情報が溢れる中、自分に必要な情報を選ぶ余裕もありません。だからこそ必要な情報を提供してあげて欲しいのです。

 

そうすることで、皆で新型コロナウイルスに立ち向かっていくことができます。一緒に乗り越えて行こう、こんな気持ちが住む場にあれば、どれだけ嬉しく心強いことでしょうか。

 

大阪の家主の橋田和正さんは

 

「危なそうな子には、どう?ってずっと声かけてるよ」

 

と教えてくれました。特に単身者は、このような災害時には孤独です。家主側からの声掛けを、とても心強く感じるはずです。これが単に「大阪」という土地だからできるという限定的なものだと思いたくはありません。

 

東京のような大都会でも、それは同じだと思うのです。自分を気にかけてくれる人がいる、そう思って嬉しくない人はいないはずです。地道な声掛けが、追い詰められた末のゴミ屋敷や自殺を防ぐことになると私は信じています。

※本記事で紹介されている事例はすべて、個人が特定されないよう変更を加えており、名前は仮名となっています。

 

 

太田垣 章子

OAG司法書士法人代表 司法書士

 

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不動産大異変:「在宅時代」の住まいと生き方

不動産大異変:「在宅時代」の住まいと生き方

太田垣 章子

ポプラ社

著者は、20年にわたり2500件以上の不動産トラブルを扱ってきた異色の司法書士。 業界紙・業界誌などでの連載や「家賃滞納という貧困」「老後に住める家がない!」などの著作を通じて(ともにポプラ新書)、業界では知らない人…

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