(※写真はイメージです/PIXTA)

これまでのアパート経営は、ある意味「受け身」でも問題なく行えるものでした。しかし、人口減少や経済の停滞といった厳しい状況下において、アパート経営で勝ち残れるかどうかは、オーナー自身の能動性にかかっているといえます。自ら考え、工夫し、行動を起こすという「攻める経営」が必要なのです。業界を取り巻く厳しい現況を専門家が分かりやすく解説します。

アパートオーナーの一番大切な業務はマネジメント

アパート経営というのは基本的に各業務をマネジメントし、コントロールすることです。

 

例えば入居者の募集業務。これはアパートオーナーさんが自分で客付けするわけではなく、仲介(客付け)してくれる会社に依頼をして入居希望者を紹介してもらいます。オーナーさんの役割は、客付け(リーシング)をすることではなく仲介(客付け)してくれる会社に依頼(リーシングマネジメント)することです。

 

建物管理(ビルメンテナンス)でも、オーナーさんが自分で消防の点検を行うわけではありません。消防点検を行う会社を見つけ依頼するのがオーナーさんの役割です。原状回復工事やリフォーム等も同様で、業務を請け負ってくれる業者に委託し工事をしてもらうわけです。

 

さらに緊急対応についても、オーナーさんが自分でやることもできますが、それでは夜眠るのもままなりませんので、外注することになります。

 

このように、オーナーさんの仕事とは、基本的に関係者をうまく使って(言葉が悪いのですが)、プロジェクトリーダーの立場で各仕事を差配することが中心となります。

 

[図表1]オーナー業務のほとんどはマネジメント

 

もちろん、入居者への提案などは、オーナーさん自身で行う重要な業務ですので、これを外注するわけにはいきませんが、ルーティン化している業務、特に実務に関してはすべて外注し、自身はそのマネジメントに徹するのです。そして、この業務はどの業者に依頼するかというのをすべて把握する必要があります。また、その業者の仕事内容の充実度を図るというのも重要ですが、難しいのも実情です。

 

さらに、いかに自分の仕事に対して各業者さんに最優先に動いてもらえるかというのが、アパート経営の非常に難しいところです。そのために、例えば、修繕工事など各業務に対する知識・ノウハウはもちろんですが、それ以上にコミュニケーション能力はアパート経営を成功させる上で最も重要な能力となります。

今後のアパート経営は「守り」から「攻め」へ

いままでのアパート経営と言えば、自主管理の場合なら、ただ家賃を集金し、空室が出れば入居者の募集を近くの不動産会社にお願いして、という形が主なものだったでしょう。

 

管理を委託している場合であれば、近くの不動産会社(管理会社)に管理を「丸投げ」していました。自分のアパートの状態がどうなっているのか、極端な話、空室の状況すらも自分ではわからないといった状態で管理(経営)を行ってこられたオーナーさんが多いのが実情ではないでしょうか。

 

また、管理を委託されている不動産会社(管理会社)も、ただ家賃を回収し、入居者を募集してという姿勢で業務を行っているケースがほとんどでした。

 

例えば、入居者の退去という事実に対しても、なにも工夫せず「とりあえず同じ条件で入居者を探してよ」と指示するだけのオーナーさん。請け負った管理会社も自社の店頭に空室のチラシを貼り、ただ入居者を待つだけ。このようなオーナーさんも管理会社も、ともにアパート経営に対して完全に「受け身」であり「守りの姿勢」と言わざるを得ません。

 

しかし、今後のアパート経営は「ただ待っている」だけでは入居者は集まりません。何も工夫しなければ家賃水準は下がっていきますし、空室は埋まりませんので、オーナーさんの利益が減っていくのは目に見えています。

 

どのようなリフォームをすればいいのか、仲介会社に最優先に入居者を紹介してもらうための工夫をして依頼をしなければなりません。さらには、退去をできるだけ発生させないというような工夫も必要でしょう。受け身の姿勢では、空室が増えていき利益は減っていく一方です。

 

オーナーさんは能動的に、自ら考え、工夫し、行動を起こすという「攻める経営」をしなければ、今後は利益を得られないということです。

 

[図表2]守りの経営と攻めの経営

 

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