カラーコピーは白黒コピーの10倍のコスト?
このように、日常の些細(ささい)な業務からも、赤字社員と黒字社員を見抜くことができます。あなたは、会社でコピー1枚をとるのに、どれだけのお金がかかるのかご存知ですか?
コピー機は、印刷時に高熱を発するので、部品が消耗しやすく、メンテナンスが必要です。そこで、1枚当たりいくらという保守料金(カウンター料金)がかかってきます。白黒なら1枚2~6円、カラーコピーなら1枚15~40円。カラーコピーは、白黒コピーの約10倍もコストがかかっています。
つまり、カラーコピー1枚=白黒コピー10枚、という公式が成り立つのです。赤字社員はこの公式がわからず、カラーコピーも白黒コピーと同じように考えています。
ですから、本来は白黒で問題のないプレゼンやセミナーなどで使う資料も、上司から言われない限り、すべてカラーコピーをしてしまいます。しかも、使うかどうかもわからない予備の分まで、です。
たった一度のことであれば、カラーと白黒との差はたった数十円です。しかし、コピーは日常繰り返されるものであり、また人数分のコピーなど「掛け算的要素」が強いため、ここでのコスト意識の低さが、会社に大きな損失を与えてしまうのです。
ほかにも、こんな赤字社員がいます。重要なお客様からの連絡をメモも取らず、担当者への伝言を忘れてしまう「記憶喪失くん」。または、セミナー開催のDMを、過去に開催した日程のまま送ってしまう「時代遅れさん」。
担当者への伝言忘れで、せっかくの受注のチャンスが他社に流れて、数百万円の利益を得そこなったり、数十万円のDMコストを、まったくのムダにしてしまったり。赤字社員は、そんな大きなミスにさえも気づくことがありません。そして、また同じミスを繰り返すのです。
一方の黒字社員は、カラーコピーの公式がわかっています。ですから、カラーコピーを失敗したときには、「やってしまった……」と大反省します。また、プレゼン用の資料を準備する際にも、カラーコピーで準備をするのは、お客様に渡す分だけにして、必要分以外はできるだけ白黒コピーで対応しようとします。
そして、黒字社員はミスした後に、二度と同じミスはしないようにと考え、次の仕事でミスした分を帳消しにしようと努力します。仮に自分がミスをしたときは、会社にどれだけの損失を与えてしまったのかを把握して、次からの仕事で取り返すことが大切です。
赤字社員、黒字社員のコピー業務の成績
1枚あたりのコピーのコスト
白黒コピー:3円 カラーコピー:30円
・赤字社員 1セット40枚 予備も含め30部をカラーコピー
コピーのコスト
(カラー) 40枚 × 30部 × 30円 = ▲36,000円
↓
36,000円のコスト
・黒字社員 1セット40枚 1部をカラーコピー 25部を白黒コピー
コピーのコスト
(カラー) 40枚 × 1部 × 30円 = ▲1,200円
(白黒分) 40枚 × 25部 × 3円 = ▲3,000円
↓
4,200円のコスト
2人の差は1業務当たり31,800円
香川 晋平
K&P税理士法人 代表社員
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