筑波こどものこころクリニック院長/小児科医の鈴木直光氏は著書『新訂版 発達障がいに困っている人びと』のなかで、発達障がいとどのように向き合うべきか語っています。本記事では、発達障がいの子どもの進路について、実例をもとに解説します。

「専門の教育機関」の整備は進んでいないものの…

小・中学校、高校と周りの人たちと同じように勉強するだけが選択肢ではありません。

 

デンマークには自閉症専門の学校まで用意されていますが、日本では残念ながら発達障がいのお子さんを専門に教育してくれる学校が整備されていません。国や自治体、教育委員会といったところも含めてまだまだ改革が必要ですが、少なからず進路の選択はできるようになりました。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

最近、教室に馴染めないお子さんのために、別室で主に算数と国語の授業を少人数で受けることのできる特別支援学級が、多くの小・中学校で設置されるようになっています。音過敏のある自閉スペクトラム症のお子さんも、うるさい普通クラスよりは少人数の静かな特別支援学級の方がいいのです。

 

私のクリニックへ来ている不登校の患者さんの多くは、鉛筆の書く音やイスのギーギーする「音」が嫌で行きたくないと言っています。そういう音過敏のあるお子さんにはイヤーマフという工夫をしています。

次ページ頑なに「普通」を望む親

本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『新訂版 発達障がいに困っている人びと』より一部を抜粋したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

新訂版 発達障がいに困っている人びと

新訂版 発達障がいに困っている人びと

鈴木 直光

幻冬舎メディアコンサルティング

発達障がいは治療できる 診断、対処法、正しい治療を受けるために 書版が出版されてから4年、時代の変化を踏まえて最新の研究データを盛り込み、大幅な加筆修正を加え待望の文庫化。 “「発達障がい」は治療ができない…

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