筑波こどものこころクリニック院長/小児科医の鈴木直光氏は著書『新訂版 発達障がいに困っている人びと』のなかで、発達障がいとどのように向き合うべきか語っています。本記事では、発達障がいの子どもの進路について、実例をもとに解説します。

自閉スペクトラム症と診断された男の子。学校の対応は

私の知っている自閉スペクトラム症と診断された男のお子さんで、幼稚園、小・中学校と、地元の公立に通っていた方がいました。

 

知的な発達に関して優れたところがあるというわけではなかったのですが、いい担任、園長、校長、さらにいい同級生に巡り会えたため、なんの問題、いじめ、トラブルもなく地元の中学校を卒業しました。

 

特に医療は定期的には受診せず、投薬治療もされていませんでした。就学前まで言語教室には通っていたようです。

 

親御さんは、高校は社会性も身につくと考え、特別支援学校に通わせることにしました。

 

特別支援学校高等部では優秀な生徒さんで、大きな問題もなく卒業し、彼は国立大学法人の事務職に就職しました。学校でも今までなかったことであり、国立大学側でも、初めての採用ということで、サポート体制に力を入れてくれています。

 

そのお子さんのように、担任と園長・校長、そして周りの仲間が発達障がいに理解のある素晴らしい教育環境に巡り会えれば、いじめなどで自尊心を落とすこともなく、成長できます。

 

親御さんの基準ではなく、お子さんが今どのような状態でどのようなことができるのか、そして何がお子さんのためになるのかという基準で進路を考え、導いてあげてください。

 

それが、不登校への予防、お子さんの未来へとつながっていきます。

 

 

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鈴木 直光

筑波こどものこころクリニック院長・小児科医
小児神経学会認定医博士(医学)

 

 

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『新訂版 発達障がいに困っている人びと』より一部を抜粋したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

新訂版 発達障がいに困っている人びと

新訂版 発達障がいに困っている人びと

鈴木 直光

幻冬舎メディアコンサルティング

発達障がいは治療できる 診断、対処法、正しい治療を受けるために 書版が出版されてから4年、時代の変化を踏まえて最新の研究データを盛り込み、大幅な加筆修正を加え待望の文庫化。 “「発達障がい」は治療ができない…

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