また連絡が取れなくなった内田さん…衝撃の理由
ところがなかなかそんな雰囲気にはなりません。内田さんが言っていることは、正論ではありました。謝罪するときは言い訳しない、仲間の失敗は自分の失敗、謝罪するときは相手が許すまで頭を下げ続ける……。厳格な職人気質が、若い担当者が確認不足で起こした失敗を許せなかったようです。
その気持ちは理解できるのですが、今の時代、そこまでガチガチに言ってもなぁ……聞いている私もしんどくなってしまいました。未だに現役で大工をしているという内田さん。現場でもこんな感じなら、若い人はついてくるのかなあ、ふとそんな風にも思ったほどでした。
やっと話が途切れたタイミングで、私たちはお許しをいただき、解放してもらえました。トータル1時間半。ようやく長かった時間が終わりました。緊急事態宣言中のこの出来事を、私は既に忘れてしまっていた8月。また内田さんの滞納で、相談ごとが回ってきました。
これからは毎月支払うと約束したはずじゃない。びっくりして交渉履歴を見ると、また内田さんとは連絡がつかない状況のようでした。
高齢者が次の部屋を探すのも、大変なことです。怒りたい気持ちがあるかもしれないけど、皆が皆、自分の思うようには動いてくれないことだってあるはず。
仕事をされているなら、自分の主張が正論であったとしても通らないこともあるでしょう。「家族はいない」と言っていた内田さん。木造アパートの1DKにひとりで住んで、寂しくないのかな。若い人たちが慕うようなタイプでもないし……。
私はそんなことを思いながら、仕方ないかとまた手続きを始めました。でもその思いは打ち破られたのです。内田さんの住民票を取得してみると、内田さんは既に亡くなっていました。緊急事態宣言中に私たちが行った後、その2週間後くらいです。
完全な孤独死でした。死亡年月日が5月21日から6月4日までの間という、特定できない記載になっていました。しかも死亡届が出されたのは6月末。
これは何かで内田さんが亡くなったことが発覚し、死因が特定できなかったので解剖となり、おそらくこの間に亡くなったのだろうということで、診断書が出てやっと届出ができたのが6月末ということです。
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