前回は、1カ月に1度の割合で実施すべき保有銘柄の点検方法について説明しましたが、今回は3カ月に1度の割合で実施すべき点検のポイントを見ていきます。

3カ月ごとの点検では、企業決算と経済の動向を見る

「3カ月」という数字は日本の企業にとって、大きい意味があります。四半期決算が出るタイミングだからです。

 

日々のニュースや月次データ、為替動向などから、会社の計画どおりに物事が進んでいるのかどうかはなんとなくは見えてくるものですが、四半期決算の数字を見ると、それが明確な形でわかります。

 

自分の保有銘柄の決算については、売上高・営業利益・経常利益・純利益といった主要な数字を必ず確認してください。決算の内容は、企業の公式サイトのIRページにある「決算短信」や決算の内容を説明した資料などで見ることができます。

 

その際、「数字」だけを見るのではなく、なぜそういう数字が出てきたのかという背景・理由の部分をしっかりとらえるようにしましょう。

 

たとえば、「円安メリットが経常利益を押し上げた」とあれば、重要なのはこの先の為替動向だということになります。また、減益になっていても、その理由として「需要拡大に対応するために工場を新設したための費用が影響した」とあれば、事業そのものは好調だということがわかります。

 

また、3カ月ごとの点検では、保有銘柄だけでなく同業他社の業績や、さらには日本の企業全体の業績がどうなっているのかにも目を向けておきましょう。株式市場全体のムードや方向性をつかんでおくことも、株式投資では非常に重要です。

 

たとえば、全体的に企業業績がよいということになれば、日本株の割安感が強くなり、日本株への買いが入って株価は上昇していく可能性が高くなります。

「決算発表」に点検とメンテナンスの照準を合わせる

3月決算の銘柄の場合、四半期決算は6月末(第1四半期決算)、9月末(第2四半期決算)、12月末(第3四半期決算)、3月末(本決算)です。

 

しかし、実際の決算発表はそれより1カ月〜1カ月半程度後になるので、たとえば本決算であれば決算発表は5月上旬頃になります。上方修正や下方修正は決算前に発表されることもありますが、やはり確定した数字を見なければわからないこともあります。

 

また、必ずしも株を買うのは、四半期決算のタイミングではないため、そこから3カ月後というと決算のタイミングとはずれてしまいます。

 

となると、3カ月ごとの点検・メンテナンスはどのタイミングで行えばよいのでしょうか。これについては、特に正解はありません。やりやすい方法を取っていただくのがよいと考えます。

 

どちらかというと、買ってから3カ月後に点検というよりは、3カ月ごとの決算発表に点検とメンテナンスの照準を合わせたほうがよいかもしれません。

 

たとえば、日々の点検、1カ月ごとの点検で把握した企業の状況から、だいたいの業績を予想しておく。その上で、実際の決算発表の数字を確認して、必要に応じて銘柄のメンテナンス(乗り換え、損切り、利益確定)を行う、というような流れです。

本連載は、2016年2月1日刊行の書籍『資金30万円を巨額資産に大化けさせる銘柄「乗り換え」株式投資法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。本書のケーススタディと本文で取り上げた銘柄の売買タイミングは、すべて「ライジングブル投資顧問」で提供している売買サポートの一例です。売買タイミングは、各コースで異なります。投資はご自分の判断で行ってください。本書を利用したことによるいかなる損害などについても、著者および幻冬舎グループはその責を負いません。

資金30万円を 巨額資産に大化けさせる 銘柄「乗り換え」株式投資法

資金30万円を 巨額資産に大化けさせる 銘柄「乗り換え」株式投資法

藤村 哲也

幻冬舎メディアコンサルティング

給料がなかなか上がらない、預貯金をコツコツ貯めてもほとんど増えない――。資産運用の難しい時代です。 株式投資は、実は資産を安定的に大きく増やせる“堅実”な運用術です。安定運用のコツはただひとつ。上手に銘柄を「乗…

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