まずは直近1年間の取引を一覧にしてみる
1年に1度は大規模な点検・メンテナンスを行いましょう。と言っても、この段階で銘柄を大幅に入れ替えようということではありません。ぜひやって欲しいのは、この1年でどのような取引をしたかを振り返るということです。
まずは、この1年の取引を一覧にしてみてください(図でも表でも構いません)。少し面倒くさいと思うかもしれませんが、本連載で提案しているように、値幅が取れる銘柄を絞り込んで、乗り換えも1カ月に一度程度というのであれば、書き出す手間はそれほど大変ではないと思います。
書き出したら、どの銘柄がどういう理由で収益を生み出したのか、実行した乗り換えはうまくいったのか、損切りのタイミングは遅すぎなかったかなど、ひとつひとつの乗り換え・利益確定・損切りについて確認していきましょう。
もちろん、乗り換えや売却の時点では、そこから株価が上がるか下がるかはわかりません。しかし、いつも大きな値幅を取る前に売ってしまっているのであれば、銘柄選びか売買のタイミングの決め方か、いずれかを見直す必要があることがわかるはずです。
過去の投資行動をしっかり点検することが利益に繋がる
また、保有銘柄の組み合わせについても、ぜひ確認して欲しいと思います。資金が少ないのに、大化け狙いの銘柄ばかりで構成しなかったか。ひとつの業界の銘柄ばかりに偏っていなかったか。
実際、筆者が運営する投資顧問サービスでは、値幅が取れるという理由で、一時期ポートフォリオがゲーム会社に偏っていたことがあります。
もちろん、大きな値幅を取るのが目的で銘柄を選んでいるので、その時点では非常に正しい選択だったと考えています。しかし、ひとつの業界にだけ投資していると、世の中が変化したときに取り残されてしまうリスクもあります。
どんな銘柄にどの程度投資して、いくらの収益あるいは損失になったのか。単に「いくら儲かった」ではなく、過去の投資行動をしっかり点検することが2年目以降のよりよい投資につながっていきます。
とは言え、反省ばかりでは面白くありませんので、「ここで乗り換えたのは正解だった」など、うまくいった点にも目を向けて励みにしてください。