日本の私立医学部と比較すると負担は軽い?
海外の大学医学部へ
医師になる夢を叶える道は国内だけとは限りません。現在は、ハンガリー、チェコ、スロバキア、ブルガリア、中国などの海外の国立大医学部を目指す人も増えてきています。たとえば、ハンガリーの4つの国立大医学部では、日本からの学生を積極的に募集するために受け入れプログラムを開始しており、2006年9月から日本人学生が入学しています。
このプログラムに参加しているセンメルワイス大、ペーチ大、セゲド大、デブレツェン大は、世界的にもレベルが高く、その医師免許はEU(European Union /欧州連合)で共通の医師免許として認められています。さらに、日本の医師国家試験の受験資格もあり、合格すれば日本とEU、どちらでも勤務が可能です。
経済面においても、日本の私立医学部と比較すると、負担は軽いようです。学費は生活費を入れて年間270万円ほど。物価が安く、国立大であることが大きく作用しています。
ハンガリーの国立大医学部の入学試験は大学によって若干異なりますが、おおむね、英語と生物、化学、物理、100問の筆記審査と口頭試問、面接審査という内容です。日本語による面接審査以外は英語で行なわれ、トータルで合否を判断します。
筆記審査の問題を見ると、専門的な医療英語が多く難易度が高いため、本コースにいきなり進むには十分に勉強をしないと歯が立たないでしょう。英語で試験を受けることは、医学部進学を考えている優秀な人でも、相当なハードルに感じるかもしれません。
ただ、本コース以外に予備コースがあり、半年から1年をかけて、英語や生物、化学の知識を蓄えて本コース試験の準備をします。医療英語や基礎の生物、化学、物理を授業でカバーするので、予備コースから本コースへの進級率は90%以上にもなります。予備コースで普通に勉強していれば、4大学のいずれかに進学できるようです。