受験生によっては苦手意識が強い面接試験
二次試験対策 面接
ここからは、二次試験の対策について見ていきます。まずは、一次試験の成績が良くても不合格になる可能性があり、受験生によっては苦手意識が強い面接試験について。
実際の面接試験では、何が問われているのでしょう。横浜市立大学医学部に合格した教え子のEさん、日本大学医学部に合格した教え子のFさんの体験から、考察を加えます。
Eさんが面食らったのは、昭和大学医学部の面接です。志望書等に目を通していた主査と思われる面接官から、「君は、国語が得意科目なんだね。じゃあ、ここで今の気持ちを一句詠んでみて」といきなり言われたそうです。とまどいのあまり、1秒くらい〝固まった〞そうですが、数秒で「面接で いい点取って 合格だ」と答えたそうです。句の出来不出来はさておき、なかなかの機転です。Eさんは季語を入れ忘れてしまったと後悔していましたが、「よく詠めたね」と感心されたそうです。
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また、Eさんが高校野球のピッチャーだったことから、「キャプテンの素質とエースの素質には違いがあると思うが、エースとしての経験は今後のチーム医療にどう活きると思うか?」と聞かれました。定番ですが、なかなか良い質問です。
それについては、「エースは背中で自分の姿勢を見せるが、キャプテンは集団に目配りをしてチームをまとめる。エースはキャプテンのように皆の話を聞くと同時に、自分の技術と力で皆をぐいぐい引っ張っていく。エースのように日々、自分の技術を研鑽する姿勢が医師には必要だと思うし、周りの同僚にその姿を自然に見せられたらチームによい影響を与えられるのではないかと思う」と述べました。
これなら、野球部のエースとしてチームを引っ張った経験はおおいに役立つと感じてもらえたのではないでしょうか。
唯一の集団面接だった慈恵医大では、①「20年後にはどんな新しい仕事が誕生していると思うか?」と②「雰囲気のいい病院の待合室とは?」の2題が出題されました。しかし、誰も目新しいことを言えず、面接官には「凡庸だね」という反応をされたそうです。
面接官の意図と聞かれる内容
順天堂大学医学部で求められたのは、「自分が誇れる物」の提出です。Eさんは小中学校の通知表、野球部での活躍が掲載された新聞や学校の広報誌、Eさんのことが論評されている卒業文集、さらに中国語検定の認定証書などを持参しました。
ところが、面接官からは「ずいぶんとたくさん持ってきたね、こんなに見られないよ」と苦笑いされたそうです。そして、志望理由を聞かれたあとに、昭和大学医学部の面接内容について聞かれました。Eさんが俳句の話をしたところ、大爆笑されたそうです。
なお、別の受験生ですが、順天堂大学医学部で、小学校の時の成績表が無いのは何故かと尋ねられたそうです。成績表は小学校、中学校のものは持参したほうが良いのかもしれません。