憧れの人を意識すると、できるようになること
子どもは頭の中で「強いからヒーローにしようかな」「サッカーが上手なプロ選手にしようかな」「おいしいケーキをつくれるようになりたいから、テレビに出ていたパティシエかな」と、思考をめぐらすことになります。
感情の言語化と同様、憧れの人を明確にすると、その人が手本となり、「こんなとき、あの人ならどうするかな?」「あの人はこんなことはしない」と、善悪を考えるときの基準にもなっていきます。
また、園の一学年上の子どもたちや、習い事で出会う小学生のお兄さん、お姉さんなどを憧れの存在として意識させてあげると、精神的な成長を促すことができます。
年上の人のやっていることを一緒に見学して、「お兄さんたち、どんなふうに見える?」と聞いてあげましょう。
「かっこ良い」「上手」と、素直に言えたら「ママもかっこ良いと思う。あなたも年長さんになったら、きっとあんなふうになるよ」と背中を押してあげてください。未来の自分の姿を思い描くのは、計画を立てる準備として貴重な体験です。
大人には無駄に見えることを邪魔しない
計画力を身につけるためには、目先のことにとらわれ過ぎず、長期的な見通しを立てるサポートが必要になります。計画力をつけさせるために……と躍起にならないでください。むしろ、1日のうち1時間は、親がまったく干渉しない時間をつくってあげることも大切です。
もちろん、ゲーム機やタブレットは使わせない、外で遊んでいるときは公園から出ないなど、最低限のルールは守ってもらいますが、好きなおもちゃに没頭しようと、砂場で夢中になっていようと、声を掛けることはしないでほしいのです。
大人から干渉を受けないと、子どもは自分のしたいことに集中します。ゴロゴロしているだけに見えても、空想の世界を楽しんだり、体験したことを思い返して楽しんでいます。おもちゃで遊んでいるのであればなおさらです。
集中している子どもに「何しているの?」と声を掛けて遊びを盛り上げてあげようなどとおこがましいことは考える必要ありません。なかには「こうやったら、もっと楽しく遊べるよ」と遊び方の指南までしてしまう親もいますが、そこまでいくと、子どもにとって自由な時間ではなくなってしまいます。
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